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一時退院は、無事に、許可をもらえた!
まぁ、夜寝るときには酸素をつけることが条件だし、3日間だけなことには変わりないけど、シンプルに嬉しくて、思わず、おばあちゃん家に電話をした。
そしたら、おいしいおせち、パパと作って待ってるから、楽しみにしててなぁ?、って言われて、余計に嬉しくて。
おじいちゃんは、ドシンと構えた昭和の大黒柱って感じの人で、おばあちゃんは、パパみたいに柔らかい人。
大好きなんだよね、もちろん、ママの方のおじいちゃんとおばあちゃんも。
「ほんまこすいよな、おまえ。」
「…こすい、? なんで?」
「こんな正月にだけ、退院してくるとか。 金もらいに来てるとしか思われへんわ、笑」
そして、迎えた12月31日、大晦日の朝。
パパは、先におばあちゃん家に行って、おせち作ってるから、って、大毅くんが迎えに来てくれた。
だから、帰りはタクシー、ヤバくない? 贅沢でしょ?笑
いつも、仕事やわたしのお見舞いで忙しくしてるパパを、お正月こそは休ませてあげたい。
そう思って、今日から3日間は、大毅くんとパパといっしょに、おばあちゃん家に泊まることになってる。
今日までお店をしてる流星くんも、明日には、奥さんといっしょに来るから、すごく楽しみなのに、寝起きだからかな?
さっきから、あたま、痛いんだよね。
「…ちがうから。…でも、わたしがお年玉もらわないと、大毅くんにお金返せないんだよ、?」
「それぐらい、俺が代わりに受け取って、借金分だけ抜いといたるわ。笑」
「…借金じゃないもん、」
「わかったわかった。 ええから、早よ準備して? ってか、俺のパーカーめっちゃあるやん。」
でも、せっかくの一時退院だし、これ逃したら次いつあるかわかんないからさ、そんなこと言ってらんないじゃん?
大丈夫、って言い聞かせる、あれだよ、テーキアツ? そんなやつのせいだよ。
3日分の下着入れたでしょ、メイクポーチ、お風呂セット、ヘアアイロン、コテ、私服は今着てるの以外は家か、じゃあ、一旦家にも寄って欲しいかなぁ。
紛らわせるように、いっぱい荷物を詰め込んだら、案の定、大毅くんに怒られた。笑
俺、これにまだ、酸素ボンベ一本持って帰らなあかんねんけど?って。
いいじゃんいいじゃん、男の子でしょ? お兄ちゃんでしょ? 力持ちでしょ?笑
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みき(プロフ) - いつも楽しく拝読しています。毎日更新されているか楽しみで、お話が続くのが嬉しいです。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください! (2019年10月26日 23時) (レス) id: 80bf883441 (このIDを非表示/違反報告)
Riru(プロフ) - のんちゃんのお手紙で涙が出ちゃいました、、西埜さんが選ぶ言葉がほんとに大好きです。 (2019年10月24日 12時) (レス) id: 52537ea43d (このIDを非表示/違反報告)
りりあん(プロフ) - 西埜さんの文章がすごく好きです!これからもずっと応援しています! (2019年10月18日 4時) (レス) id: bb098296da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉都香 | 作成日時:2019年10月15日 23時