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「…日の出、…見に行くの、」
「日の出？」
「……ん、…見れるかな、って、」
半ば諦めてた、いや、もう、絶対ムリだって思ってた。
だって、アホかそんなん見てどうすんねん、って顔してたんだもん、そんな暇あったら他になんかせえ、って、それがなにかは、わたしの頭じゃ思いつかなかったけど。
でも、今日の大毅くんは、機嫌がいいのか、気分がいいのか、わかんないけど、なぜか優しいらしい。
へぇ、って、わたしに珍しくふつうの笑顔を見せてきては、
ええやん、俺も行っていい？なんて、らしくないこと言うんだから。
「…え、……」
「あかんか、？」
「…いや、…怒んないの、？」
「なんで？笑 それより、なんか1枚羽織れ。 身体冷えんぞ、」
そして、携帯をおもむろに触ったと思ったら、こっちやな、って、こっちって？ え？ なにが？ なにがわかったの？
それに、羽織るもの？、あ、ダメだ、わたし、半袖しか持ってきてない、だって昼間はまだ暑いじゃん。
羽織るの持ってない、そう言ったら、今度こそ怒られた、もう、タイミング変だって。
待っとけ、なんて言われて、突然ひとりにされる、え、やっぱムリだわ、ふつうに心細いんだけど。
よくひとりで行こうと思ったよね、わたし、思いつきと勢いすぎて、今考えたらほんと怖い。笑
「ほい、貸したる、」
「…え、いいの、？」
「ぉん、」
「…わたし、昨日、お風呂入ってないよ、？笑」
別にええわ、それぐらい、って言う大毅くんは、コテージから自分のパーカーを持ってきてくれた。
ほんと頭いいよね、朝は冷えるとか、わたし、全然考えてなかったわ。
しかも、行くぞって、めっちゃ自信満々に、コテージから左向きに歩いて行く、大毅くん、なんでそんなのわかんの？
ふつうになぞだったから聞いたら、ほんまアホやな、って、え、急にディスられた？
太陽はな、東のホウガクから登ってくんねん、って、携帯の画面を見せられても、ちょっとよくわかんない。
とりあえず、ついてこい、日の出、見せたるから。
いつのまにか、わたしより15センチも大きくなってた後ろ姿を、言われるがままに追う。
「…見えなかったら、どうしてくれんの、？」
「残念、絶対、見えるから。」
「…もし、見えなかったら？笑」
「見えるわ、変な賭け挑んでくんな。笑」
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みき(プロフ) - いつも楽しく拝読しています。毎日更新されているか楽しみで、お話が続くのが嬉しいです。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！ (2019年10月26日 23時) (
レス) id: 80bf883441 (このIDを非表示/違反報告)
Riru(プロフ) - のんちゃんのお手紙で涙が出ちゃいました、、西埜さんが選ぶ言葉がほんとに大好きです。 (2019年10月24日 12時) (レス) id: 52537ea43d (このIDを非表示/違反報告)
りりあん(プロフ) - 西埜さんの文章がすごく好きです！これからもずっと応援しています！ (2019年10月18日 4時) (レス) id: bb098296da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 | 作成日時：2019年10月15日 23時
