5 ページ11
美音side
廉「····美音が産まれたとき、こういうことがあったんよ」
パパは声を詰まらせながらも、ちゃんと話してくれた。
パパから聞いた話は、とても辛いお話だった。
美音「···私のせい？」
廉「え···？」
美音「私が産まれなかったら、ママは死ななかったってことでしょ···？」
廉「·····」
美音「私なんか産まれてこなければよかったんだ···」
廉「それは違うから、」
美音「だってそうじゃん！私が産まれなかったらママだって死ななかったし、私がパパとママの幸せを奪った、」
廉「だからちゃうって！！」
パパが大きな声を上げる。
廉「俺は、美音なんか産まれてこなければよかったなんて思ったことない。美音に出会えてよかったって思ってる」
美音「ｸﾞｽｯ···でも···」
廉「Aは···ママはきっと、自分の命を捨ててでも、美音のこと守りたかったんよ。美音だけは元気に産ませたかったんよ。だから、ママが必死で守った命、それを今度は自分で守らなきゃいけない。だから、美音は産まれてこなければいけなかったんよ」
美音「ｸﾞｽｯ···」
廉「ママが亡くなった理由をずっと話さなかったことはほんとにごめん。でもそれは、美音が自分を責めるんじゃないかって思ったから。だから話せなかった。それはほんとにごめん」
美音「ｸﾞｽｯ···」
廉「でも、これだけは約束して。自分の命、ちゃんと大事にして。ママが守ってくれた大切な命だから。ママの血が入ってる大事な命。ちゃんと大事にしてほしい」
美音「ｸﾞｽｯ···うん···」
廉「ママ、ほんと頑張ったんよ、出産。辛かったと思うけど、弱音一つも吐かなくてさ···」
その途中で、目を両手で覆うパパ。
廉「···だから、大事にして」
美音「ｸﾞｽｯ···うん···」
私は立ち上がり、仏壇の前に座った。
そして手を合わせた。
ママ、ありがとう。
必死で私を産んでくれて。
辛かったよね。
痛かったよね。
ちゃんと大事にするよ、ママがくれたこの命。
お空で、私を見守っててね。
fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
このみ(プロフ) - まるさん» 読んでくれてありがとうございます！めでたいニュースが舞い込みましたね！6ヶ月の娘を育てながらの妊娠生活、大変だろうけどきっとパパやママが支えてくれると思います！この先の流れもお楽しみに！ (2022年7月12日 13時) (
レス) id: 431cff37e1 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 読みました!岸家にまた嬉しいニュース舞い込んできましたね!夢花ちゃん少し不安そうだったけど変わらず家族が支えてくれるんだろうなと思うと安心です。これからのお話の流れも楽しみにしてます! (2022年7月12日 11時) (レス) id: 40bf441d3d (このIDを非表示/違反報告)
このみ(プロフ) - りーさん» 追加リクありがとうございます！お話まだ作ってないので、その感じで書いてみますね！ (2022年7月12日 2時) (レス) id: 431cff37e1 (このIDを非表示/違反報告)
このみ(プロフ) - おんぷさん» 性別、名前、そちらの方はお楽しみに！ (2022年7月12日 2時) (レス) id: 431cff37e1 (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - (続きます)だと大丈夫かな?って、自分自身がママになったけれど、弱い部分も見せちゃうような夢花ちゃんも(お話まだ出来てなかったら)入れて頂けると有難いです!名前、性別は既にもう決まってるみたいなので、そちらも楽しみにしてます! (2022年7月12日 0時) (レス) id: 49334b775f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：このみ | 作成日時：2022年7月4日 14時
