12 ページ12
『チャンミン、やっぱりつまみ食いしてたぞ』
キッチンから戻ってきたウジンさんの手には大盛りの唐揚げの皿。
ビールを持ったチャンミンの後ろからグラスを持ったAも入ってきて、僕の前にそれを置いた。
こんなことはあるのだろうか。
Aを諦める覚悟をしていた所だったのに。
こんな形で再び会うことになるなんて、神様はなんて意地悪なんだ。
二人の愛の巣なんて見回したくもなくて、テーブルの上ばかり見てた。
『ユノ、食欲ないか？』
そんな僕にウジンさんは気を遣ってくれる。
こんな態度はよくないな。
『いい匂いだね？食欲が出てきたかも』
『お、そうか？』
チャンミンの大好きだった彼女の唐揚げを口に入れた。
懐かしい味。
『美味しい...』
『だろ？チャンミンも食えよ』
でもずっと食べたいと思っていたポテトサラダには手をつけられなかった。
向かいに座ったA。
隣に座るウジンさんが彼女の皿にどんどん食べ物を乗せていく。
『こんなに食べれないよ』
『大丈夫、大丈夫。余ったら俺が食べるから』
見てられない。
そこにいるのは僕だったはずなのに。
『ウジンヒョンー。目の前でいちゃつかないで下さい。せっかくのご飯がおいしく頂けない』
チャンミンが冗談のように言ってくれて、照れて少し離れた二人。
『そんなつもりはなかったんだけど。なあ？』
『え？うん...チャンミンくん、ビールまだ飲む？』
Aはそう言って席を立った。
無意識に僕も席を立っていた。
『俺も飲み物貰ってくる』
『Aに何があるか聞けばいい』
『うん』
キッチンに入ると奥の冷蔵庫に彼女は凭れて俯いていた。
『気分悪い？』
はっと顔を上げたA。
『大丈夫...』
彼女は視線を合わせようとしない。
僕は無言で近付いた。
目の前に来た時、やっと僕を見た彼女。
『あ、えっと、何？』
顔を赤くして焦っている。
再会してからこんなに間近で見ることはなく、こんな顔をしたAを見るのも久しぶりだった。
僕を意識してるようで思わず伸ばしそうになる手を押さえた。
『...飲み物、ある？』
『お水？ジュースもあるけど』
『水』
『はい』
ボトルを渡してくれた彼女の手が僕の手に触れた。
ゴトン
ビクッとして彼女が手を引っ込めたからボトルを落としてしまった。
『あ、ごめん』
それを拾おうと同時にしゃがみ込んだ。
『あっ』
『あっ』
さっきより近い距離。
潤んだAの瞳に僕が映っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れさ(プロフ) - かえるさん» こちらこそ、コメントありがとうです(*^^*)何だかユノ妄想が停滞気味なので嬉しかったです♪ (2015年3月31日 18時) (
レス) id: a69c31a826 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - ないのですね(T△T)了解しました(T＿T)ゞお返事どうもありがとうです♪ (2015年3月31日 7時) (レス) id: 27264d4f57 (このIDを非表示/違反報告)
れさ(プロフ) - かえるさん» かえるさん！こっちも覗いてくれたんですね(^^)ありがとうございます！ユノも“私”もキャラが定まってないのでもうチャミさん頼りに(>_<)なのでおまけはないです...すみません(T-T) (2015年3月30日 22時) (レス) id: a69c31a826 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - あぁ…終わってしまった(ToT)ヤキモチのユノ、可愛いですね♪チャンミンもいい仕事してくれます♪もう『おまけ』ないですか？ (2015年3月30日 17時) (レス) id: 27264d4f57 (このIDを非表示/違反報告)
れさ(プロフ) - ほし☆いちさん» 顎クイにおでこにおいで。やって欲しいことを詰めてみた(^^;今はこのくらいソフトな気分(*´-`) (2015年3月18日 21時) (レス) id: a69c31a826 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れさ
| 作成日時：2015年2月28日 1時
