寂しくなるのは【iw×mm】 (ページ4)

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康二はちらりと俺を見たあとスマホに視線を戻し、こほんと1つ、わざとらしく咳払いをして読み上げた。

「なになに〜...？【おう久しぶり！いわもとさん？それなら俺の友達に一人いるけど...さんってことは女子のこと言ってる？女子ならいわもとってのは俺の学年にはいないね。3年にも居ないんじゃね？にしても急にどうした？お前人の事訪ねるなんて珍しいな。なんかあったか？】...ってことらしいけど...」

康二が読み上げた文章をひとつずつ頭に書き起こして再生する。

そうか、この学校にはいるんだな....

「なるほど...」

「え待っていわもとさんって男やったん？勝手に女の子やと思ってたわ。すまん。」

「いや大丈夫。...にしてもその人の知り合いなら会えたりしないかな....康二、その人の名前は？」

「え？このメールの主か？」

「そう。」

「このメールは深澤辰哉って人のや。俺からお願いしとこか？」

そう言ってまた早々とメールを打とうとする康二の腕を掴んだ。

それは、なんか違う気がする。

「...いや、ありがとう大丈夫。その深澤辰哉って人何年何組？」

「...ほんまにええの？ふっかさんは3年8組やけど....全然ええで？俺聞いといても。」

「いや、なんか自分で行かないといけない気がするからさ。ありがとう。後は自分で探すよ。」

「...めめかっこええな....漢過ぎるやろ...」

「...え？ごめん今なんか言った？」

「あぁいやなんでもないで。それやったら俺も着いてくだけ着いてくわ。もし違ったら気まずいしな笑」

そう言って苦笑いする康二はどこまでも優しい。

「....確かに。お願いします。」

「はいはい。ほな昼飯食おか〜。」

康二はスマホを閉じて椅子をそのままに体だけこちらに向けた。

そしてカバンから取り出した弁当箱を開ける。

いつも母親が準備してくれているのだとこの前聞いた。

康二は代わりに夜ご飯担当らしい。

俺もカバンから弁当を取り出し、もう手を合わせている康二を追うようにして手を合わせた。

...いわもとさんに、会えるんだろうか...

そんな少しの期待が俺の胸を高鳴らせた。

「あ、すみません。今深澤先輩っていますか？」

放課後、帰りのSHRを終えた俺たちはいのいちに教室を飛び出し、走って1年の2階の教室から3年の教室がある校舎の5階まで駆け上がった。

荒く肩で息をしながら教室を出る1人の男子生徒にそう声をかければ俺を見て驚いたように目を見開いた。