寂しくなるのは【iw×mm】 (ページ30)

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kj「あ、おはよぉめめ！元気か！？」

教室に着けば1番に聞こえたその明るくて優しい声に、ほっとして体の力が抜ける。やっぱりもつべきは友というだけある。

mm「おはよ。昨日ありがとな。助かった。」

いつものように笑って挨拶を返したはずなのに、康二は怪訝そうな顔をした。

kj「...」

mm「康二？」

kj「あぁ！なんでもないで！顔色昨日より良さそうで良かったわ！」

急に俺の顔を見て黙り込んだ康二に首を傾げつつも、俺はカバンを机にかけて座った。すると、どっと体が重くなる。

今日はなんかもう疲れたな。

俺は伸びた前髪をくしゃりと上にあげた。

kj「...あ。」

mm「ん？」

康二はニヤリと笑った。

その怪しい笑いに嫌な予感がする。

mm「...なんだよ。」

kj「いやぁ？めめっていつも前髪伸ばして下ろしてるやん。」

mm「そう、だけど...」

kj「イメチェン、してみぃひん？」

口角をこれでもかとあげた康二に俺は、初めて引きつった笑いを浮かべたと思う。

そもそも俺は昔から髪の毛をあまり切らない。ハサミでぱちぱちロングにらなない程度しか整えないので(整ってるかは不明だが)目には髪がかかってて、というか前髪以前に全体的に長い。うっとおしいぐらいに。

けど、そのうっとおしさに勝る理由もあるわけで。

mm「...嫌なんだけど。」

kj「いやまぁ言いたいこと分かるけどな？けど逆にチャンスちゃうん？ここで一発かましてどれだけめめが優良物件か見せてやったらええねん。」

mm「...なんの話。」

変な緊張感が漂い、思わず唾を飲んだ。

これから言われることを、多分俺は当てられると思う。

けど、当てたいとは思わなかった。

kj「──────────諦めるにはまだ早いで。」

知っていたはずなのに、どきり、と心臓が脈打った。

変な汗がじわりと手にまとわりつく感覚がする。

あぁ、もう何もかもバレてるのか、こいつには。

..でも、

mm「でもさ、意識して貰えないんだよ。一緒にご飯食べても、ゲームしても、話してても、全部“男友達とのお遊び”にしかならないんだよ。」

自分で言ってて虚しくなるけど、どれもきっとその通りなんだ。

康二は俺の手を取った。

kj「そんなんはしゃーないわ。好きになった相手が相手やからな。」

mm「でも...」

kj「めーめ。」

渋る声とどんどん下がる視線を康二に戻せば、真剣な目でじっとこちらを見つめてきていた。