寂しくなるのは【iw×mm】 (ページ24)

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#24 ページ24

朝より体は熱いけど、寒気は無くなった。

だからなのか、回復を始めた体が反応して目の前に置かれたいかにも美味しそうな雑炊にお腹が鳴りそうになる。

「...いただきます。」

お礼を言ってから手を合わせた俺は、蓮華を持とうと手を伸ばしたけど、目の前で消えた。

目線で行き先を追えば、岩本くんの手元に収まっている。

「...あの.,.？」

岩本くんは無言でおわんを俺からとり上げ、蓮華ですくったほうの雑炊をふーふーと冷ましてから俺の目の前に出した。

...これはつまり、口開けろってこと....？

無言の圧に耐えかねて、俺はおずおずと口を開けて雑炊を口の中に入れた。

「ど？」

「...おいしい、です...」

良かったと岩本くんは安心したように笑った。そしてまた、目の前に雑炊が乗った蓮華が出される。

...これも全部、熱のせいだ。熱の、おかげなんだ。

自分に言い聞かせて、無言でまたその蓮華をくわえた。

結局無理することなく全て完食した。もちろん、最後まで食べさせてもらった。いつもお互い作りあったりしてるので腕には不安なんてなかったけど、やっぱり岩本くんのご飯は自分で作るより何倍も美味しい。ガサツで雑な俺とは大違いだ。

「ありがとうございました、めちゃくちゃ美味しかったです。」

お礼を言えば、岩本くんは満足そうに笑った。

目尻に寄るシワが、やっぱり岩本くんの1番のギャップだと思う。こんな素敵な笑い方する人いないよまじで...

俺は、よっぽど岩本くんに惚れているらしい。

ぼけーっとその顔に見とれていれば、ぱっと岩本くんは顔を逸らした。その行動に首を傾げる。どうしたのだろうか。

「...岩本くん？」

そういえば、こちらを見ないまま、手の甲を口に当てたまま岩本くんが返事をした。

「...ん...？」

心做しか耳が赤いような.....っえ....？

「岩本くん、顔赤くないすか？もしかして俺の熱うつったりしてません？」

岩本くんが何かを言う前にサッとおでこに手を当てた。自分の方が暖かい手をしているのに気づく。

そうだ、俺熱あるんだった...基準にならねー....

「ちょっと今体温計持ってくるんで待っててくださ....！？」

立ち上がろうとした俺の裾をグッと捕まれ、力の入らない体はそのまま後ろのソファに座り込んだ。

「...違うから。大丈夫。」

俯いたままそういった岩本くんの耳はまだ赤い。無理をしているのかと変に心配してしまう。

「目黒。」

呼ばれて岩本くんの顔を見た。