#22 ページ22
ぼんやりする頭で自分が何をしていたのか思い出す。
確か、最後岩本くんの背中が見えたような....
夢か、そう出ないかの区別がつかない。火照る頬が、まだ自分に熱があることを知らせる。でも、何故かおでこはひんやりしていた。
重たい手を伸ばせば何かが貼られていて、匂いから冷えピタだと直ぐにわかった。自分で貼った？いや、そもそも家に冷えピタなんてなかった気がする。
悶々と考えていると、ふと部屋の外から何やら物音が聞こえた。
...え、泥棒...？
家主は自分で、今は自分しかいないはず...あれ、どうやって帰ってきたんだっけ。
前後の記憶がぼんやりしすぎていて、現実かどうかを分けることが出来ない。
とりあえずもの音が聞こえるリビングに重たい体を運び、ドアを開けて頭だけ覗き込んだ。
ふわりと、いい匂いがする。
「...えっ、いわ、もとくん...？」
彼は声に気づいたのか、動かしていた手を止め、顔を上げた。
いつものエプロンをつけて、岩本くんは何故か俺の台所に立っていた。こちらを見てふわりと微笑む。
「おはよ。体どう？」
「どう、って....え？なんでいるんですか...？ 」
「あー...あんま覚えてない？」
困ったように笑う岩本くんに頷く。
「お前今日熱あんのに学校行ったろ。」
「...はい。」
「それで康二が保健室までお前のこと連れてった、ってとこまで覚えてる？」
確かに、康二に腕を引かれ、引き摺られるようにして薮先生の元に行った。
「覚えて、ます。」
「保健室に俺が来たことも？」
「...はい。」
「康二がカバン持ってきてくれたことも？ 」
「はい。」
「俺がお前のこと、家まで運んだことも？」
「....はい？」
「あーじゃあそこだな。」
ニヤリと笑った岩本くんはまた手を動かし始めた。
,..え待って待ってそこだなって何？俺岩本くんに運んでもらったの？じゃああの夢は....
「...もしかして、おんぶとか、俺してもらってました...？」
恐る恐る聞けば、岩本くんはちらりとこっちを見た。
その口角は緩やかに上がっている。明らかに楽しんでんなこの人...
「お前もうちょいくった方がいいぞ。身長そんなに変わんないのに軽すぎ。」
「...すみませんありがとうございました.....」
頭を抱え、ズルズルと座り込んだ。
いやまじか俺何してんだよー！！！！
「ってか岩本くん学校は.,.！？」
そう、さっきちらりと時計を見れば、時間は12時だった。本来なら授業が....
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Emi(プロフ) - とても続きが読みたいのですが、もう更新されないのでしょうか？ (10月7日 16時) (
レス) @page34 id: 0a1f78866d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2022年2月19日 11時
