寂しくなるのは【iw×mm】 (ページ3)

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レンズの奥で康二が笑ったのを感じる。

康二が俺にカメラを向け始めたのはつい三日前。

メールでわざわざ律儀に撮影許可を取ってきて、俺は特に広めたりしないのなら好きにしてくれと言ってある。

カメラが趣味で、整った顔となんとなくオシャレそうな雰囲気が漂う彼はクラスの女子から注目の的だ。

そんな彼が言うのだから、もしかしたらあながち一目惚れも間違っていないのかもしれない。

現に、今の俺はまるで恋する乙女だ。

「そう...かなぁ....」

「そーそー。んまとりあえずそのいわもとさんって人探す所からやな。上の学年なんやろ？苗字誰かに言えばすぐ見つかるんちゃう？珍しい名前でもないけど...そんなに沢山おる訳でもないやろし。」

「いやでもうちマンモス校じゃん。」

そういえば彼は顎に手をやる。

どうやらこの問題に真剣に向き合ってくれている様子。

「まぁせやなぁ....あ、友達の兄ちゃんに聞いといたるわ。そういやこの高校で3年生...とか言うてたしな。」

「何それ早く言ってよ。」

「ごめんごめん忘れとったんやって。笑ほなその人に....っと、ほい。これでええか？」

康二は誰かとのメールの画面を俺にみせてきた。

そこには

【なぁ、この学校にいわもとさんって人おる？】

と打たれたメッセージが3秒前に送られていた。

その人の名前はふっかさんと登録されていて、数日前に高校に入学したと康二からメッセージを送ったのが残っていた。

「...うん、ありがとう。」

「ええっちゅうことや〜。また連絡来たら言うわ。なんでも相談してや。」

そういう康二は何だかにやにやしていて、先生が入ってきたことでHRが始まるとわざとらしく前を向いたその頭を俺は軽く小突いた。

(...いわもとさん、綺麗な目だったな...)

そんなことを考えていれば、瞬く間に時間は過ぎていった。

いつの間にか授業もそこそこにお昼の時間となっていて、康二の肩をつつく。

「ん？なんや？」

「ね、さっきの返信きてた？メール。」

そういえば思い出したように携帯を取りだし操作をし始めた。

「えーっと...お！きてるで！」

「っなんて！？」

「うぉうびっくりした〜！そんな焦るなって〜...えーっと、じゃあ読むで？」

俺は思わず立ち上がった衝撃で後ろに行った椅子を引き、両手を膝の上に置いた。
なんだか緊張してきてゴクリ吐息を飲む。

「...おう。読んでくれ。」