寂しくなるのは【iw×mm】 (ページ2)

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「はーっ、なるほどねぇ....んで、めめはその人を探しとるっちゅーわけか。」

「まぁそうなんだけど...」

「...見つからん、と。」

「...はぁ〜〜...」

「ため息つくなや〜。幸せ逃げるで？」

「いわもとさんに会えない時点で逃げてるから。」

「なんやそれ。」

あの日、あの入学式の日から約2週間。

俺は訳あって県外から入学したので知り合いがおらず、どうしようかと思っている時にこの男、向井康二に出会った。

康二も関西から1人で出てきたらしく、友達がいないことに不安を覚えていたらしい。

同じクラスになってたまたま席が近く意気投合。

こうして出会って2週間にして悩みを打ち明ける仲になった。

そして俺の悩みはそう、彼、いわもとさんに会えていないことだ。

あの日俺は彼の名前を聞くことに成功したんだけど、結局急いでいるからと彼は走っていってしまった。

連絡先を聞こうと思っていたのにそれが出来ず、かと言って何年かも分からない人を知り合いのいないこのマンモス校で探すのは流石に俺でも勇気がいる。

行き帰りで注意深く周りを見てはいるんだけど、それでもやっぱり人数が多くて一人一人見ていられないのが現実。

俺はまた深くため息をついた。

今は朝のホームルーム前。

前の席の康二は良い奴だけど、彼みたいな何かを感じることは無い。

「...そもそもやけどさ、めめはなんでその人に会いたいん？」

「....ん〜...それがよくわかんないんだよね...」

「これまた難しい話やな〜。」

康二は腕を組み、眉間に皺を寄せた。

「でもなんか、気づいたら目で追ってたし、気づいたら名前聞いてたんだよね。俺があの人になにかを感じてたんだろうなと思って...」

「....あぁ、なるほどね。つまり一目惚れっちゅーやつか。」

「....はい？」

「いや絶対そうやろ。それ一目惚れやって。じゃないとめめ警戒心意外と強いから知らん人の名前聞いたりせんやん。｣

...確かにそれは一理ある。

俺が康二と連絡先を交換したのはつい一週間前。

ほかのクラスメイトとも上手くいってはいるけど連絡先交換までには至っていない。

かと言ってこれを一目惚れと断定するのも....

康二は首に提げていたカメラを手に取った。

「し、か、も、肩に乗ってた花びら取ってもらっただけやろ？お礼することでもないし連絡先なんてしらんでええやん。な？ほら惚れてる以外の選択肢逆に無いで？」

ほらこっち向いてと言って、康二はカメラを構えて1枚撮った。