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「剛くん、遅いねー。」
　
　
　
　
ミルクティーを飲みながら
直樹くんに話しかける。
　
　
　
「あぁ。ってか今日髪巻いてきたんだな。」



似合ってる。と髪に触れながら言ってくれた。

　
　
　
「…ありがと！」
　
　

　
小さな変化にも気付いてくれる直樹くんに
頬が緩むのを隠せない。
　
　
　
　
　
　
　
「おぉ、お前ら！
　わりぃ、途中でションベン
　したくなっちまってよぉ！」
　
　
　
　
「剛くん…。マジか…。」
　
　
　

その服装はないわ…
　
　
　
　
　
ヤンキー感丸出しの姿を見て
思わず直樹くんと顔を見合わせる。
　
　
　
　

「…で、今日は
　そういうんじゃない服を選べばいいんだな。」
　
　
　
「おう！今度メシご馳走すっからよ！
　じゃあ先生！今日はひとつよろしく！
　Aも、女子ウケいいやつにしてくれよ！」
　
　
　
　
「…なんかすっごく不安。」
　
　

　
「あぁ…こっち。」
　
　
　
　
　
　
　

　
　
うちの両親が起ち上げたブランドのお店に向かう。

直樹くん、結構気に入ってくれて
よく着てくれている。
　
　
　
　
　
「これとか？
　…チェック似合わねーな。」


　
　
「はぁ？着てみなねーと分かんねーだろーよ！」
　
　
　
「いや、似合わないよ。
　こっちのシンプルなブルゾンとかどう？」
　
　
　
「あー、ありだな。」
　
　
　
　
　
　
　
パンツが細せーとか
靴が脱いだり履いたりしにくそうだとか
うるさい剛くん。


　
　
　
　
無視して直樹くんと選び、いくつか試着させる。
　
　
　
　
　
　
シャーッ
　
　
「「…ふっ。」」
　
　
　
　
カーテンを開けて出てきた剛くんに
2人して吹き出してしまった。
　
　
　
　

次の服に着替えている間、
椅子に座って待つことにした。
　
　
　
　
　

　
「なかなか難しいね。
　直樹くんは何でも似合うから
　いいのありすぎて困るくらいなのに…」
　
　
　
　
　
「それはAのセンスがいいからだろ。」
　
　
　
　
疲れたわ…と私にもたれかかる直樹くん。
　
　
　

「でも直樹くん、優しいね。
　なんだかんだ剛くんに付き合ってあげて。」
　
　
　
「…まぁ、ツレだからな。」
　
　
　
　
　
小さい声で呟く直樹くんが可愛くて
そっと頭を撫でる。

　
　
　
　
　

　
　
剛「…おいお前ら、とっくに着替えてんだけど…。」
　
　
　

　
　


　
　

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