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23(伍代side) ページ24

　
　
　
　
「…意外だったな。
　お前の兄ちゃん
　もっとこえーんじゃないかって思ってた。」



剛「おぉー。
　ああ見えて優しいんだぜ、兄ちゃん。
　まぁ、聖さんと違って無職だけど。笑」

　
　
　
「お前、兄ちゃんとやったことねーの？」
　
　
　
　
剛「あー…
　 中2んときの兄弟ゲンカが最後かなぁー。
　 あん時マジぶっ殺されると思ったわ。」


「えっ…。お前が？」





この間も、市松の奴ら
1人でボコボコにした難波がやべぇとか
想像できねーわ…。
　
　
　
　
「…やっぱあの人バケモンだな。」




剛「ははっ！まぁな！」
　
　
　
　
　
そう言って笑う難波に
ずっと気になっていたことを聞く。
　
　
　
　
　

「…悪いとは思ったことねーの？」



剛「何が？」
　
　
　
「家族に対してだよ。
　みんなお前に期待してんじゃん。」





途端、辛そうな表情になった。
　
　
　
　
剛「…悪りぃと思ってるよ。
　 だから余計言えねーんだよ、
　 ヤンキー辞めてーなんて。
　 みんなをがっかりさせたくねーんだよ…。」





こいつも色々考えて、苦しんでんだな…。

　



「…でもお前、そりゃ無理があるぜ。
　いつかは…。」




剛「バレるまで。
　 バレるまででいーんだ…。」






難波の言葉を聞いて
俺はコイツの嘘に付き合ってやることに決めた。
　
　
　
　
　
　
　
「Aにも
　ちゃんと説明しろよ。
　あいつ、
　何も聞かず黙っててくれんだからな。」
　
　
　
　
　
剛「分かってるよ。
　 …ってか、お前らいつからなんだ？笑」






さっきとは打って変わって
ニヤニヤしてる難波。
　
　
　
　
…めんどくせーな。
　
　
　
　
　
　
「…初めて会ったのは中3の時だよ。
　あいつヤンキーに絡まれてて…」
　
　
　
　
剛「あ〜、あれだろ？よくあるやつ。
　 助けてやって、そこから〜みたいな？」
　
　
　
　
「…ちげぇよ。
　A1人で全員やっちまった。」
　
　
　
　
　
「…マジかよ。
　さすが火神聖の妹だな。
　俺、Aがケンカしてんの
　見たことねーからよ。」
　
　
　
　

　
　
　
その時のことをは
はっきりと覚えている。
　
　
　
ケンカに勝ったのに
苦しそうに唇を噛みしめていたA。
　
　
その姿をみて
何故か、俺が助けてやりたいって思った。

　
　
　
　
　


　
　

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