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▼第一幕 綾辻探偵事務所→デパート/朝/晴れ


辻「…って、そうじゃなくてですね!」



いけない、また先生の調子(ペース)に飲み込まれ終わる所だった。私は咳払いをひとつ混み切り替えると、本題に入った。



辻「事情は分かりましたが、これは上の方に報告させて頂きます。彼女が一体何者なのかの調査、そして保護についての審議も此方でします」



先生は特一級危険異能者。普通の対応では扱えない人物。そんな先生の近くに、一般人である彼女を近くに置くとなると、こちらとしても審議が必要になる。そして記憶喪失の彼女は本名も家も、家族さえも忘れた状態にいる。早く素性を知らなければ、彼女の親族が今も心配している筈。



綾「…そうか」



先生は何処となく悲しげな表情を見せる。凍った血の死神…なんて特務化の裏で呼ばれる先生。けれど長く付き合っていると、無表情ながらも目の奥からの感情が分かったりする様になる。



辻「ですが…その服装では支障が出ます。先生、彼女を借りても良いですか?」


綾「何をするつもりだ?」



彼女も不思議そうにこちらを見ていたので、視線を合わせると、口角を上げて云った。



辻「ショッピングですよ、ショッピング」



我ながらに善い事を云ったと思う。




ま「わぁ…!見てみて綾辻、すっごい大きい建物!」


綾「見るのは初めてか?」


ま「うん。デパートって、聞いた事しかなかった」



本当に記憶喪失なんだな…と二人の会話を聞いて思う。この横浜では、高層ビルなど一日に必ずは目にするのが当たり前。一体彼女は、何者なのだろうか…。



綾「そうか…それにしても辻村君」


辻「は、はい。何ですか?」



考え込んでいる所に不意を突かれる様に話しかけられた為、返答が少しおどおどしてしまう。



綾「流石に今回は安全運転なんだな」



何時もの私の運転は、まぁ荒い。勿論、それにはちゃんと理由がある。事件が目の前にある時などだ。しかし今回はお買い物、ショッピング。こんな時まで荒い私じゃない。



辻「私が何時も荒いみたいに云わないで下さいよ」


綾「実際そうじゃないか。喋っていれば舌が噛み切れる程の飛ばしっぷりの運転で」


辻「改めて言われると傷つきます…」



そんないつも通りの会話をしていると、デパートへと着いた。私達は車から降りると、洋服売り場のある階へと上がっていった。

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- 綾辻さんカッコイイですね〜//応援してます!頑張ってください!! (2016年7月18日 19時) (レス) id: 3e8226a6a8 (このIDを非表示/違反報告)
千夜 - 綾辻さん大好きです!頑張ってください(^^*) (2016年7月9日 20時) (レス) id: 65a1a1af30 (このIDを非表示/違反報告)
スルメイカ - 綾辻さん格好いいですよね!私も大好きです!!!!更新頑張って下さい! (2016年6月28日 22時) (レス) id: a144d6d49e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月影少女 | 作成日時:2016年6月18日 11時

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