伍 ページ7
▼第一幕 綾辻探偵事務所／朝／晴れ
今日も前髪がキマっている、と私は思う。車なウインドウに映り込んだ自分の前髪を、ちょっとつまんで持ち上げる。自分と目が合ったので、ぐっと力を入れて睨んでみる。
大丈夫だ。私は完璧。こんな怖いエージェントに立ち向かえる異能者なんている筈がない。…これから会う人物を除いては。
私は辻村。異能特務化のエージェントを務めている。私の職務は、ある異能者の監視。しかもただの異能者ではない。
最重要監視リストの常連。
特一級危険異能者。
完璧な私にしてみれば、自分に似合う職務と思う。だけれど、どうもこの異能者には歯が立たない。それは彼の存在全てがだと思う。
けれどこんな事でめげちゃだめだ私！
今日もあの言葉を、自分への合図の様に云った。
辻「私と同じ時代に生まれたのが、お前の
私は扉を開いた。
《 》
綾「……やぁ、辻村君。おはよう」
視線を軽くこちらに向け、またすぐ本へと戻す。見慣れた光景だ。…だが今日は違った。違いすぎた。彼が視線を戻した先は本ではなく…。
辻「…あっ、綾辻先生！だだだだだ、誰ですか？！そ、その…女の子は！」
其処には人形の様な精密さを持った可愛らしい女の子がいた。
ま「…はじめまして。綾辻まどかです」
辻「あ、綾辻…？！先生！この子は！」
ああああ慌てるな私！私は完璧なんだ！どんな事にも動揺などしてはいけない！
取り敢えず、女の子は綾辻まどかと云う名らしい。…綾辻？
綾辻？！あ、綾辻先生にお子さんが！け、けれど彼女の容姿年齢からいくと綾辻先生の子供とは…。まさか隠し子？！
綾「君が今何を考えているかは分かるが、それは違うぞ辻村君。一から説明してやるから、騒いでないで其処に座れ。まどか、コーヒーを頼む」
ま「うん」
綾「まぁ、そう云う事だ。理解できたか？」
辻「理解も何も…。て云うか先生！また抜け出したんですか？！」
綾「また強化したらしいが、俺にしてみれば何も変わってなんかいない。本当に俺を監視する気があるのか？」
辻「うぅ…」
駄目だ、この人には本当に歯が立たない。肩を狭め、下を俯向くとカフェインの香りが鼻を掠めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫 - 綾辻さんカッコイイですね〜//応援してます！頑張ってください！！ (2016年7月18日 19時) (
レス) id: 3e8226a6a8 (このIDを非表示/違反報告)
千夜 - 綾辻さん大好きです！頑張ってください(^^*) (2016年7月9日 20時) (レス) id: 65a1a1af30 (このIDを非表示/違反報告)
スルメイカ - 綾辻さん格好いいですよね！私も大好きです!！！！更新頑張って下さい! (2016年6月28日 22時) (レス) id: a144d6d49e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月影少女 | 作成日時：2016年6月18日 11時
