肆 ページ5
▼序幕 綾辻探偵事務所／夜／晴れ
ぶくぶく、と湯船の中で息を吐く。
まどか「探偵…か…」
綾辻行人、路地裏で倒れていた私を助けてくれた恩人。生憎、その時に至るまでの記憶も無く、名前も分からない私に名前をくれた、名付け親でもある。
綾辻は探偵で、此処は綾辻の探偵事務所らしい。
京極夏彦、最初は驚いたけど色々と優しくしてくれるおじさん。
だけど見える見えないだとか、なんか謎多い。
まどか「……」
湯船から出て、風呂場から出ようとする自分の姿が映った鏡を見る。
まどか、今迄どんな生活を送っていたのか分からない、記憶喪失…と云うものになっている。
病護服の様な服を先程まで着ており、私の失った記憶の手掛かりになるものだと、綾辻は云っていた。
そして首に付けられたこの黒いチョーカー。外れそうにもなく、水に濡れても壊れない謎に満ちたもの。
チョーカーに手を当て、私は風呂場から出た。
まどか「…コレを着れば良いの？」
木材で編まれた籠の中には、可愛らしいワンピースタイプのパジャマの様な服が入っていた。
扉を開けると、其処は美味しそうな香りが漂っていた。
まどか「良い匂い…」
綾辻「出たか。夕飯だぞ」
綾辻の声がした方を見ると、其処にはエプロン姿にお玉を片手に持つ綾辻が。
綾辻「其処に座れ」
目の前にある此の椅子の事だろうか、とりあえず言われた通りに座った。
目の前には小さなボウルに入った色鮮やかなサラダとスプーン。
そして大きな手によって目の前に置かれたホワイトシチュー。
今にもお腹が鳴りそうだった。
まどか「美味しそう…」
綾辻「ん、まどか。食べる前にその髪を如何にかしないといけないな」
今、私の髪は何も結んでいない状態である。然も腰まである長髪。
綾辻「じっとしていろ」
綾辻はそう云うと私の髪をいじり始めた。慣れた手つきで髪を結っていくのが分かる。
綾辻「これで良いだろう」
何気なく、軽く頭を振ってみる。
感覚で分かる、私の長い髪は一本に結ばれた。
その事に「わぁ…」と感嘆してしまう。
まどか「い、いただきます」
シチューをスプーンで口へと運ぶ。
そして食べると、頬が落ちると云う言葉は、こう云う時につかうものか、と思い、今の気持ちは自然と口に出た。
まどか「美味しい…！」
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紫 - 綾辻さんカッコイイですね〜//応援してます！頑張ってください！！ (2016年7月18日 19時) (
レス) id: 3e8226a6a8 (このIDを非表示/違反報告)
千夜 - 綾辻さん大好きです！頑張ってください(^^*) (2016年7月9日 20時) (レス) id: 65a1a1af30 (このIDを非表示/違反報告)
スルメイカ - 綾辻さん格好いいですよね！私も大好きです!！！！更新頑張って下さい! (2016年6月28日 22時) (レス) id: a144d6d49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月影少女 | 作成日時：2016年6月18日 11時
