Sincere love*064 ページ18
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ぴっとテレビをつける。つけたチャンネルはバラエティ番組だったが、すぐに六郎にニュース番組に変えられた。
「え…?なに、これ」
その番組には"赤い金魚事件。犯人は26人の死因をアルファベットの頭文字で?真実を探る!"
そんなでかでかとしたタイトルがあった。
26人なんて意味がわからない、気持ち悪い。最低だと思った。しかし、犯人は殺したことを認めてないらしい。テレビの中のサングラスをかけた記者と思しき男が得意げにそれを語っていた。
「え?六郎、これがなに…?最低最悪な事件だと思うけど、何がどうしたって…」
「この犯人、自首したんだ。」
「え?」
それならそれでよかったのではないかと思う。だって逃げられずにすんだわけで。何をそんなに思いつめているのか。
「この間、また赤い金魚のご遺体が見つかったんだ。その人の死因はホルマリンだったんだけど、その結論に行き着くまでに1つの菌に行き着いて。それで俺は知り合いの記者が犯人だと思ってたから、詰め寄ったときに、その菌の名前を言っちゃって。」
「うん」
「菌の名前はボツリヌス菌。説明はと思ったけどAなら知ってるよね。ホルマリンを投与された体は腐らない。しかし酸素はない。ということはボツリヌス菌が発生するには格好の場所だし、確実に死んだ後に発生したんだ。だから、高瀬が知るはずもなかった。」
それなのに、
六郎は拳を握った。
話についていけないわけじゃなかった。
私は薬学部と、経済学部を卒業してる。
「だけど俺が記者に言ったせいで、高瀬は逃げおおせることが出来る。具合が悪そうだったといえば死因はボツリヌス菌になる。そしてこの記者は」
バサりと雑誌と分厚い本が落ちてきた。
分厚い本には『26人殺害は妄想か現実か』という題名が。この本は今回の事件を書いたらしい本で。そしてもうひとつの雑誌の表紙の左下には
「ゆ…きこ、ねぇ…ちゃ」
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青龍 葵(プロフ) - 誤字でしょうか?P58の最後、六郎の家にて「一人のの重みがなくなったソファに…」の「一人のの重み」→『の』多いのでは?一度、確認してみて下さい! (2018年3月22日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
烏龍茶(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます!返信が遅くなってしまい申し訳ありません!!面白いと言って頂ける作品をお届け出来て良かったです。続編の方もよろしくお願いします! (2018年3月22日 0時) (レス) id: 574d66a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 面白かったです!続き、お待ちしてますね|´-`)チラッ (2018年3月21日 12時) (レス) id: a9d8810827 (このIDを非表示/違反報告)
烏龍茶(プロフ) - ぷりんさん» プリンさん!!!!!!私の記憶にはしっかりと…。感動的な終わり方と言っていただける作品を作ることが出来て本当に良かったです!私の文章が好きだなんて私には勿体無いお言葉ですが、支えにこれからも書かせていただきますね(;_;) (2018年3月21日 10時) (レス) id: 574d66a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
烏龍茶(プロフ) - しばさん» コメントありがとうございます!涙を流していただけるなんてホントになんだか書いてよかった!と思いました!なんて嬉しい言葉ばかりくださるんですかね…(*´-`*)続きも新作もお待ちください、ぜひこれからもご愛読いただければと思います! (2018年3月21日 10時) (レス) id: 574d66a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:烏龍茶 | 作成日時:2018年3月18日 19時