Two flowers12

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「ふ〜危なかったぁ。ギリギリセーフ」

「ふふ」

「A、振り付け完璧じゃん。びっくりした」

「偶然練習したことある曲だったの。
ジスは表情管理が完璧だったね」

「でしょ？
このゲームは演技力も大事よ。踊れなくても上手く誤魔化さないと」

『先輩方、どうして何でも踊れるんですか？
ボーイズグループもガールズグループも関係なくお上手ですよね』

『クオリティーが高くてびっくりしました』

「そう？さっきの曲は振り付けわかんなくて焦ったけどね」

『えっ！そうなんですか？』

「そうだよ〜 みんなのダンス見てコピーさせてもらった」

『見ながら踊っててあの仕上がり…』

『さすがジス先輩』

「本当にすごいのはAよ。
遊びで数回踊っただけの曲でも振り付け覚えてるんだから」

『わぁ…さすが』

『レベルが違いますね』

「もう、ジス
ハードル上げるのやめて」

「だって本当のことじゃん〜」




それから私たちは何曲も何曲も踊り

結局それ以上の脱落者が出ることなく進んで行った


「これなら共同優勝じゃない？」

『それではこうしましょう

最後の一曲を踊って
最も完成度の高いダンスを見せてくれた方が優勝です』

「げ。完成度？」

『うわ〜どうしましょう』

『緊張しますね』

『何の曲だろう』

「……」

「Aったら、本気の目をしてるね。負けず嫌いなんだから」

「では！いよいよ最後の曲です。

振り付けだけでなく表情も見ますからね！細部までこだわって頂ければと思います」

「A〜ジス〜」

「ファイティン！！」


メンバーたちからの応援を受け

目を閉じて深呼吸



たかがゲーム、されどゲーム


絶対に勝ち取ってみせる





『お』

『この曲、』

『またガールズグループ！』

「これ…Aヌナ踊ってたことありました？」

「ある！動画持ってる！」

「え？」

「どういうことですかホシヒョン。その動画共有してください」

「やだ」

「しっ！集中！」



音が聞こえて来た瞬間

身体が勝手に動き出す



これは

私が好きな曲で
数年前に振り付けを完全コピーした





"You make me feel special"

"世界がどんなに私の夢を諦めさせようと責め立てても"

"君がいればまた笑えるから"





これを聴くと

練習生の頃を思い出す




何があっても夢を諦めるつもりはなかったけど


心無い言葉を投げかけられたとき

傷ついたり落ち込んだりするのは、どうしようもなかった

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