Two flowers11

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「みんながステージに立つ日
出発前に、スンチョルオッパが私のところに来てくれたの」



"怪我の具合はどう？"

"…すいません。みんなに迷惑をかけて、本当に申し訳ありません"

"そんなことないよ。あいつらも、Aがどれだけ真剣に練習してきたか知ってるし、誰も責めたりしない"

"でも…私…"

"これで終わりじゃないだろ？"

"え…？"

"俺たちが一緒にステージに立つ機会はこれから先たくさんあるんだから、そんな思い詰めずに今はゆっくり休んで"

"……休んでいても、いいんでしょうか"

"Aはダメだって思うの？"

"…休んでるうちに、私の場所がなくなりそうで"

"不安なんだな。それだけ今の場所を大事に思ってるってことか"

"はい。大事です。全てをかけて守らなきゃいけないものだと思ってます"

"そっか。

じゃあ、大丈夫"

"へ？"

"自分に厳しくて客観視できてどんなときも油断しないAなら、休んでも大丈夫。
むしろ、今は休まなきゃダメだ。
デビューすることになったら尚更、上手く休む方法も身につけなきゃいけないんだから。な？"


スンチョルオッパは

どの瞬間も
私がメンバーたちと一緒にデビューするんだということを前提に話してくれた



怖いと思ってたオッパは

本当はすごく優しくて、あったかい人だった





「そんなことがあってから、私はスンチョルオッパのことが大好きになったの。
悩みがあると相談したり、つらいときは甘えたり」

「…今じゃすっかりその役割はあいつら(ジョンハン、ジョシュア)に取られたけどな」

「え〜？そんなことないですよ。

スンチョルオッパは
兄も男友達もいなかった私にとって、初めての"お兄ちゃん"だったんですよ？

今までもこれからも
すごくすごく大切なオッパです」


有難い気持ちと愛しい思いが溢れ出して

スンチョルオッパに抱きつく


「何だよ…感動だな。俺を泣かせる気か？」

「泣いてもいいですよ。私が涙を拭いてあげます」

「はは、ありがとう」


私を抱き止めたオッパは
背中を優しくぽんぽんと叩いてくれた


この腕の中にいると
安心感があるし、物理的にも温かい

だからすごく眠くなる


「オッパ」

「ん〜？」

「オッパ…」

「あ

寝るなよ？A
寝るのは家に帰ってから」

「Aーーーーー！！！！」

「うわ」

「きゃっ！」


瞼が重くなり、オッパの声が聞こえにくくなってきた頃


ブーちゃんと勝負をしていたはずのジスが

大声で叫びながら
私の身体を突き飛ばした

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