水戸洋平＊匂い ページ35
水「よっ」
『水戸くん！よっ』
屋上のドアを開けると、フェンスに
寄りかかって片手を上げるクラスメイト。
水「バスケ部は？」
『んー？あとで見に行くよ。水戸くんは？』
水「俺も」
そう言っては人一人分の距離を
開けて隣に立った。
触りごごちのよさそうな髪をなびかせて
笑う彼女、Aちゃんは
花道の天敵、流川の彼女らしい。
水「また喧嘩？」
『…なんですぐわかるの？』
水「んー、Aちゃんが分かりやすい
から」
そう言うと、そうかなぁ？と少しだけ
首を傾げる。
『この間部活が午前終わりだったでしょ？
だから午後出かけようって話してて、
珍しく楓が、家まで迎え行くって言うから
嬉しくてめちゃくちゃオシャレして
待ってたのに、来なくて！
でこっちが家行ったら、おばさんが出てきて
まだ寝てるって！！ひどくない？！』
話してる間、息継ぎも瞬きもしなかった
ところをみると、相当頭にきてるみてぇだ。
『まぁ初めてじゃないんだけどね！
しょっちゅうだよ！』
水「…でも別れないんだなぁ」
『…なんだかんだ、好きなんだよね、
きっと』
いつもなら、
「いつも見たくコロッと仲直りするだろ？」
「流川はちゃんとAちゃんが好きだよ」
なんて、2人の仲を肯定するけど
今日は、言ってやらない。
水「けど、いつか辛くなるぜ」
『…そ、うだよね』
目を丸くして、2、3回瞬きをして視線を
地面に落とすAちゃんは
わかりやすいくらいに動揺してる。
水「辛くなる前にさ、早いとこ蹴り付けた
ほうがいいじゃないの？」
『蹴り…？』
水「流川と別れなよ」
『え…』
大きな瞳が、彼女の心情を表すように
左右に揺れる。
こんな事、言ったことなかったもんな。
水「俺は、愛情表現だってするし、
迎えには毎日行くし、退屈させねぇよ」
『…た、しかに水戸君と付き合ったら
楽しそうだよねっ』
水「な？だからさ、流川と別れて
俺と付き合えば？」
そのセリフの直後。
時が止まったように、会話も、風も止む。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルビア☆姉貴 - 牧さん、、、、格好良すぎる！！！！(^o^)v(*^^*)(^ω^) (2021年7月16日 11時) (
レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
梅(プロフ) - 面白すぎ！！！！めっちゃファンです！！スラムダンクハマりたてなので凄いときめく！応援してます！ (2021年3月29日 0時) (レス) id: 2912baf146 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモーン | 作成日時：2021年1月22日 15時
