＊ ページ16
仙「A？」
『…あ、え…ちょっと混乱してて、
分からな…』
仙「クス…」
仙道は小さく笑みを浮かべると
Aのマフラーに指をかけてクイッと
下にずらした。
そして
『ーッ』
一気に近づいてきた仙道にAが
反射的に目を瞑ると
唇に感じた、少し冷たくて、柔らかい感触。
ゆっくり感触が離れて、Aは呆然と
したままただ仙道を見つめていた。
…しばらくして
『〜〜〜〜〜〜〜なっっっ！？！？！』
ボッッッと沸騰したように顔面を真っ赤に
染め上げて雪を引きずって後退った。
仙「はは…もっと混乱させちゃったか？」
「でも…」と仙道は続ける。
仙「俺も混乱してる。柄にもなく、な。
…今日だって、本当はたまたまなんかじゃ
ない。ずっとAが通るのを待ってた。
余裕なんか、ない」
『ーっ！』
よく見ると、余裕そうに見えた仙道の頬は
かすかに赤くなっていた。
『…仙道…』
仙「A」
『は、はいっ』
仙「…今年も、俺に作ったって、さっき
言ってたよな？」
…そんなこと口走ったっけ？とAは
自分を恨んでからコクンと頷いて、
おそるおそる鞄から箱を取り出した。
他の部員とは違う、仙道の為だけに作った
チョコレート。
Aは、そっと仙道に差し出す。
仙道は、チョコを見つめて一言。
仙「それ、義理？本命？」
そう、問いかけた。
Aは、ハッとして仙道を見上げる。
そして、間を置いて、小さく深呼吸をして
答えた。
『…本命に決まってるじゃん、ばか』
仙「…クス」
仙道は満足げに笑って、Aからチョコを
受け取った。
仙「早く食いてぇな」
『味の保証は…しないよ』
仙「…そーだ。A、うちに来て
これ食べさせてよ」
『な、なんでよ！』
仙「越野にはやってただろ」
そういう仙道の顔はどこか不貞腐れていた。
『あれは、食べさせたっていうか
押し込んだっていうか…』
仙「どっちも同じ。さぁ、いこーか」
『ちょ、まってよ！』
そう言って仙道は、Aの背中を押さず、
Aの手を引いて、歩き出した。
Aは、緩んだ口元を隠すように、
マフラーを鼻まで持ち上げて仙道について
いった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルビア☆姉貴 - 牧さん、、、、格好良すぎる！！！！(^o^)v(*^^*)(^ω^) (2021年7月16日 11時) (
レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
梅(プロフ) - 面白すぎ！！！！めっちゃファンです！！スラムダンクハマりたてなので凄いときめく！応援してます！ (2021年3月29日 0時) (レス) id: 2912baf146 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモーン | 作成日時：2021年1月22日 15時
