＊ ページ12
『…っ』
涙を堪えるA。
流川はやれやれと立ち上がるとAの
前に立ち
ぐいっ
『っる、流川…？』
Aを抱き寄せて自分の胸板に
頭をぎゅっと優しく抑えた。
流「…こうすれば見えない」
『そ、そうだけど、でも』
流「うるせー、泣け｣
ぎゅっと流川のシャツを掴んで涙を
流す。
ぼろぼろ…と流れる涙が流川のシャツに
シミをつくっていった。
〜
流「…」
『…流川』
流「…」
『…もう大丈夫だから…離して
いいよ』
Aが声をかけるが流川は腕を緩めない。
『流川？』
流「…俺が湘北を全国制覇に導く。
日本一の選手になって、もう、愛和にも
どこにも負けねー｣
『…うん』
流「…先輩にも負けねー」
先輩？とAが流川の腕の中で顔を
上げる。
流「…」
ドキッ
流川の切れ長の眼差しに思わず心臓が
脈打つ。
流川がAに顔を近づける。
『るかっ…』
チュッ
右頬に当てられた、流川の唇。
『…』
呆然とするAから手を離して背を向け
扉へ向かう。
『………は！？え、ちょ、待ってよ！？』
扉に手をかけた流川を慌てて引き止める。
『い、今の、何…！？』
流「なにが」
『何がって…！！！だから、今の、
ほっぺに…！』
取り乱すAとは反対に、いつも通り
何を考えてるかわからない流川は
無表情のまま何も言わない。
痺れをきらしたAは、
おそるおそる口を開いた。
『…私のこと、好きとかじゃ…ないよね？
まさか、流川に限って…ね？』
まさか、まさか。あの流川だし。
そんな素振り今までこれっぽっちも
無かったし。
ありえない、と思いながら流川の答えを
待つA。
流川は間を置いて、
一言。
流「鈍感すぎ、どあほう｣
『ーーーっ』
バタンと閉じられた扉。
残されたAはただ立ち尽くしていた。
涙が乾く代わりに、頬は真っ赤に染まって
いた。
屋上には、なにかの始まりを知らせるように、
強い風が吹いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルビア☆姉貴 - 牧さん、、、、格好良すぎる！！！！(^o^)v(*^^*)(^ω^) (2021年7月16日 11時) (
レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
梅(プロフ) - 面白すぎ！！！！めっちゃファンです！！スラムダンクハマりたてなので凄いときめく！応援してます！ (2021年3月29日 0時) (レス) id: 2912baf146 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモーン | 作成日時：2021年1月22日 15時
