傷 kr ページ24
Aside
「…ねぇ、それ、足大丈夫？」
ふと声をかけられビクッと肩を跳ねた。
声の主を確かめようと振り返ると、そこには私が一方的に思いを寄せている彼がいた。
『先輩…… 』
「痛くないの？血出てるけど」
そう言って先輩は左足の
そう言われて
不思議な事に痛みが無かったから、その事を伝えると「ちょっと座って待ってて」とだけ言いどこかへ向かっていった。
彼、きりやん先輩は部活の２個上の先輩で直接関わった事はあまり無かった。
なのにこんなにも惹かれるのは何かしら理由はあるのだろう。
……私がまだ気付いていないだけで。
近くの花壇に座って待っていると、少しして先輩が走ってやってきた。
「ごめん、保健室これしかなくて…… ｣
と言って差し出したのは消毒液と絆創膏だった。
額に汗が滲んでいるのを見つけて少し嬉しくなり、頬を緩める。
私の為、なんて思ってみてもいいのだろうか。
『ありがとうございます』
「……あ、待って、俺やったげる」
『え、いやそれは』
「だってやりにくいでしょ？」
そんなことまでやってもらってもいいのか。
嬉しい以前に歳上に怪我の手当をさせるなんて正直気が引ける。
だけど、自分じゃやりにくいのも事実だった。
『……じゃあ、お願いします』
「うん」
カチッと消毒液の蓋を開け「ちょっと染みるよ」と優しく言ってくれる先輩の姿に心奪われる。
何気ない行動一つでキュンとさせてくる先輩が、ずるい。
絆創膏まで貼り終えて、一言お礼を言った。
すると、
「……また怪我しないようにね、Aちゃん」
と はにかみながら言って去っていった。
名前……知ってたんだ。
顔が茹でダコのように真っ赤になっているのが分かる。
先輩が完全に居なくなるのを見届けながら、上着の右ポケットから
本当に良かった、気付いてもらえて。
……次は何処を
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学パロのようなものです。
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作者名：れもん | 作成日時：2018年10月31日 17時
