熱 br ページ21
Aside
『あっつ……』
風邪、引いたかなぁ。
あまり引いた事ないから分からないけど、こんなに動悸が激しくなるものだっけ？
ぶるーくが帰ってから急に顔が熱くなって胸のあたりがキュッと締まって苦しくなった。
2人で居る時は何も無かったのに。
あ、でも今日はやけにスキンシップが多かったなぁ。
ぶるーくにも風邪が移ってなければ良いけれど。
既に自宅に着いたであろう彼に "体調何ともない？" と一応連絡をしておく。
するとメッセージで返せばいいものを、彼から電話がかかってきた。
「別に大丈夫だけど……なんで？」
『いやぁ、ちょっと風邪ひいたみたいで移ってないかなって』
「えぇ、風邪！？看病しに行く！」
『看病！？ いいよ別に、もう家でしょ？』
「そうだけど……」
何とか宥めたものの、「薬飲んだ？」「何か食べた？」「ちゃんと寝てる？」と質問攻めをされる。
少し責任を感じがちな彼の事だ。
大方、自分のせいだとでも思っているのだろう。
まぁ、そんな所も……
ん？
今、何でこんな事思ったんだろう。
理由も分からず、突然顔が火がでそうなくらい熱くなった。
「……おーい、A？どした？」
『……いや、なんでも』
「ほんとに？本当に大丈夫なの？遠慮なく言ってほしい」
『……なんで、ぶるーくはそんなに私に構うの？』
たった少しの疑問だった。
別にこの言葉に意味なんか何も無くてただただ気になっただけだった。
「……好きだからだよ」
え
今、なんて……
衝撃の言葉で、脳が考える事を放棄してしまった。
それから何も言えず、ただ口をパクパクしていた。
「……好きなんだ、恋愛的な意味で」
「だから、ずっと一緒に居たいと思うし、体調悪いと心配だし、……何より君がいないと寂しいんだ」
それって……私にとってぶるーくもそんな存在。
……ちょ、ちょっとまって、え
自覚した途端に鼓動がより早くなる。
身体全部が熱すぎて今にも爆発しちゃいそう。
伝えなくちゃ、この熱が冷める前に。
早く、早く、早く！！！
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作者名：れもん | 作成日時：2018年10月31日 17時
