［二次創作］_幻_想_郷_の名も無き異変の話 (ページ5)

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「いつもありがとうねぇ...助かるよぉ...」

「いえいえ、このくらい僕に任せてください！」

「そうだ！これ、すみれ君の孫達に分けてやんなさい？」

「孫じゃなくて、妹と弟ですよ！」

「はて...?そうじゃったかのぅ？」

4男3女の長男。まだまだ幼いが、家族の事を思い、家業の手伝いに励んでいる。
今日はその帰り道。少し呆けの入ったお婆さんからよもぎを分けてもらった。
優しすぎる性格。それ故に、困っている人は放っておけない。

後家まで数分の所。人が佇んでいる。
少し視線を上へ向ければ、大木に何かが引っかかっている。今日は風が強い日だ。飛ばされたのだろう。

「大丈夫ですか!?」

「あぁ...おばぁちゃんから貰った手拭いが...」

「大丈夫です、僕が取りに行きますね！」

駆け寄り声をかけ、救出作業。大樹に上手くのぼり、高さ数メートル。少し細い枝に足を掛けた時、また強い風が吹く。

「うわぁっぁぁっぁぁぁぁ！！！！！！！」

声にならない声をあげ、地面に叩きつけられた。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！」

声にならない悲鳴をあげた女の子。