【FGO夢小説】神様すら予測不能なことかも3

SO1-7.酒は飲んでも飲まれるな ページ9

「いやー嬢ちゃんのこと気になってたんだわ。ほら、うちのマスターと仲がいいだろ？マスターとは付き合いが長いからなあ、仲良くしてくれる嬢ちゃんには礼しとかねーとなってな」

ふう、と煙を吐いたクー･フーリンはがさごそとポケットを探ると拳をこちらに突き出してきた。

「手出しな」

言われた通り拳の下に受け皿のように掌を添えるとコロコロと3つほどの綺麗な石を落とした。その鉱石には不思議な文字が掘られていて、彼のことを知っていた私はこの文字が所謂ルーン文字ということに気付く。
驚いて手のひらの石と彼とを見比べる。

「これは魔術石だ。簡単な護符みたいなもんだな。それ握って魔力送りゃあ発動する仕組みよ」

そんな素晴らしいものを頂けるだなんて、と石のひとつを摘む。

「それは餞別に貰っといてくれや。これからもマスターとは仲良くしてくれな、Aの嬢ちゃん」
「名前……」
「マスターがよく話してくれるからな。知ってるさ。……そうだな、俺の呼び方は槍の俺と似た感じで構わねえよ」
「………え、と、キャスクーさん」
「へえ、俺がキャスターだってよく分かったな」

痛いところをつかれてしまった。今まで順調に進んでいたから忘れていたが、私が異世界から来たということはアーサーとダ・ヴィンチちゃんしか知らないのだ。慣れからの油断だったのかもしれない。

「ま、さっきも石あげたし隣に杖だってあるしな」

自己解決をしてくれたようだった。危うくボロを出してしまうところだった焦燥感を心の中で吐く。

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