【FGO夢小説】神様すら予測不能なことかも3

SO1-6.酒は飲んでも飲まれるな ページ8

そうして楽しい時間はとうとう終わりを告げる。そこかしこにお酒に溺れたサーヴァントや職員たちが机や床に突っ伏し、起きている人達は介抱に回ったり会場を片付けるのに忙しなく動き回る。そんな私も手伝いがしたくて申し出れば、主役だからと断られ、更に粘ればじゃあ……と寝ているサーヴァント達をたたき起こしてほしいという任務を請け負い、今片っ端から順に声を掛けている所だった。

「……起きてくださーい」
「………」

鼾すら聞こえてきそうなほどぐっすりと眠りこけているサーヴァントを覗き込む。
酒に酔った高揚感で顔を赤く染めたその人は流石半分は神様ということもあり、その寝顔もとても整っている。
人間離れした青色の髪と無造作に垂れ流した長い髪が色気も醸し出している。そもそも、キャスタークラスの彼はなんというかランサークラスの彼よりも幾分か大人びて見えるせいもあるからだろうか。
……と、顔に見惚れている場合ではない。起こして次に行かなければ。先程よりも大きめの声で話しかけてみればもぞりと肩が動いた。

「………よお、じょーちゃん。介抱してくれんのか？」

机に頬を引っつけたまま気だるげに笑う彼に少しだけ笑いがこみ上げる。

「……あん？というかいつも一緒にいる騎士様がいねーじゃねーか」

状態を起こしたクー･フーリンは私の背後を見て怪訝そうに言った。
どれだけ私とアーサーはニコイチのように思われているのだろうか。

「アーサーなら…」

といる方向を指させば机に突っ伏している彼の姿が。彼の近くにはアーラシュやプロトタイプのクー･フーリンたちが何やら話し込んでいる。つまりアーサーもクー･フーリンと同じで泥酔しているわけだ。起きている時点でまだ目の前の彼の方がマシではあるのだが。

「ふーん、じゃあ嬢ちゃんは今一人ってわけか」

何処からか取り出した煙草に火を付けて蒸す。ニヤリと口の端を釣り上げて笑った姿は些か心臓に悪いほど様になっている。

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