【FGO夢小説】神様すら予測不能なことかも3

34-2.ドレスコードは貴方の色で ページ26

「失礼しまーす……」
「やっと来たかい」
「やっほーAちゃん」

訪れたダ・ヴィンチ工房へ入ると、そこにはこの工房の主であるダ・ヴィンチちゃんの他に、何故か立香ちゃんまでが揃っていた。
不思議に思いつつも足を踏み入れると、立香ちゃんが私の肩を抱いてさらに奥へと誘導する。それから1つの丸椅子に座らされ、何かの紙の束を渡された。
なんだ、と覗き込めば、そこには可愛らしい衣装を身にまとった少女のイラストが描かれていて、それは、1枚の完成されたイラスト……ではなく、設定資料のような、マテリアルのような、少女の立ち絵が前面後面横そしてパーツパーツと切り分けられた細いイラストだった。
じっとそのイラストを眺めていると、突如頭上から溌剌な声が聞こえる。

「お気に召してくれたかな？Aちゃん」
「ダ・ヴィンチちゃん………これは？」

資料から顔を上げてダ・ヴィンチへ尋ねると、元々浮かべていた笑みを更に濃くして、彼女は微笑んだ。

「君はサーヴァントとなったわけだけれども……サーヴァントといえば華美な衣装！自分の身にあった服飾を纏うことで自分の能力、魅力を最大限に引き出すことが出来る。逆に、己の身を隠すことにも使える。私のこの衣装だって、私の完璧な顔と肉体を引き立てているのさ！」

懇々と語るダ・ヴィンチに、そこはかとなく嫌な予感がして頬を引きつらせる。

「……つまり？」
「つまり！これは君用の衣装ってことさ！」

目の前の紙の束にもう一度目を落とす。ぺらぺらと捲ってみると、様々なデザインの、しかし似たテイストの服装がまとめ上げられていて、これが全て、私がサーヴァントとして活動するためにデザインされた衣装なのだと気付けば、物凄く圧倒された。

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