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「今日はご飯作ってくれてありがとね。ほんと嬉しかった」


慧くんはベッドに寝ながら私を抱き締め、今日何度めかになる言葉を口にする。

もう少しで日付が変わる頃。

いつもなら眠くなる時間なのに、眠るためのベッドの上で私は目が冴えてしまっていた。


「こんな風にさ。誕生日とか記念日とか大事にしていきたいなって思う」

「…うん」

「花緒の誕生日も、楽しみだねえ」

「慧くん」

「なーに?」

「私、慧くんが大事にしてくれてるのわかってるよ。すごく嬉しい」


言葉にしないと伝わらないから言葉にした。

それだけじゃない。大切なことを慧くんに伝えたい、知ってほしいと思ったから。

私の悩みから、一歩成長できたかな。


「…ねえ花緒、俺は彼氏だし男だから、花緒になんでもできちゃうんだよ」


慧くんがその高い鼻の先を私の頬にすり、と寄せてくる。


「かわいいこと言われちゃうとさあ、寝かしてあげらんない」


もっと触れたいし、触れてほしい。

慧くんに出会うまで抱いたことのなかった感情に戸惑った。

でも、止められない。慧くんも同じなら、止めないでほしい。


「…眠い?目がとろんてしてる」

「…眠くない」

「ほんと?じゃあ、」


ふわりと頬に触れた唇。

私が顔を慧くんの方に向けたら、今度こそ唇が重なった。


「もう少し起きてて。電気消すけど、寝ないで、俺のことだけ見てて」


慧くんが電気を消すためにリモコンを握った手が男らしくて。


灯りが消える。

手探りでお互いを探す。

花緒どこだーと、慧くんは笑って茶化したけど。


吐息の昂り、

暗がりに浮かぶ白い肌、

私を呼ぶ、初めて聞いた切なげな声。


全てが忘れられない、誰にも見せたくない、私だけの宝箱にしまっておきたい、思い出。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧   
作品ジャンル:恋愛
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藤子(プロフ) - まつさん» まつさん、ただいま戻りました…!変わらず待っていてくださってうれしいです(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年12月14日 19時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - 藤子さんおかえりなさーい(∩´∀`∩) (2020年12月14日 2時) (レス) id: c1ce19b84f (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - まつさん» 二人きりの夜にどう出るか…彼にかかってますね!いつも読んでくださってありがとうございます(^^) (2019年9月2日 0時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - ドキ(*´ェ`*)ドキ……ドキ(*´ェ`*)ドキ (2019年9月1日 14時) (レス) id: 1721241396 (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - まつさん» まつさん…!!以前と変わらず待ってくださっていたことが本当に嬉しいです…( ; ; )!もう少しで完結させるつもりです、番外編でもっとらぶらぶしてほしいな〜なんて…よければ今後もご覧くださいね。本当に感謝です。 (2019年8月14日 8時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藤子 | 作成日時:2017年1月5日 20時

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