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「……なんか、すごく神聖なものみたい。水がきれいだからかな?」
ざるの中で清められていく小銭を見て、独り言のようにつぶやいた。
「なんとなくだけどわかるかも。さっきまで財布ん中入ってたやつなのに、きれーに見えるっていうか、ね」
でも、今はひとりじゃない。
伊野尾くんが隣にいて、私の声を聞いてくれている。
笑って私を見た伊野尾くんと、気づかないうちに肩が触れるくらい近くになっていて。
あ、近い、と思ったけど、逃げようとは思わなかった。
「パパー、あっちにねこさんいるー!」
「わっ」
横にいた小さい女の子が急に立ち上がって、私にぶつかった。
しゃがんでいた体勢が、ぐらりと崩れる。
ざるを持ったままよろけて、水が跳ねた。
「大丈夫?」
「う、ん……大丈夫」
伊野尾くんが横にいてくれたおかげで尻餅をつかないで済んだ。
伊野尾くんの手が、私の両肩をしっかり掴んでくれている。
その子のお父さんであろう人が、申し訳なさそうに近づいてきた。
「すみません、大丈夫ですか?」
「はい、全然っす」
私の肩を支えたままで伊野尾くんが返事をする。
お父さんは先に走っていった子どもを、慌てて追いかけていった。
……あれ。でも、伊野尾くんが私を両手で支えてくれてるってことは…、
「伊野尾くん!お金!ざるが…!」
「え? …うわっ、ちょっ、待ってよ!!」
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藤子(プロフ) - まつさん» まつさん、ただいま戻りました…!変わらず待っていてくださってうれしいです(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年12月14日 19時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - 藤子さんおかえりなさーい(∩´∀`∩) (2020年12月14日 2時) (レス) id: c1ce19b84f (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - まつさん» 二人きりの夜にどう出るか…彼にかかってますね!いつも読んでくださってありがとうございます(^^) (2019年9月2日 0時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - ドキ(*´ェ`*)ドキ……ドキ(*´ェ`*)ドキ (2019年9月1日 14時) (レス) id: 1721241396 (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - まつさん» まつさん…!!以前と変わらず待ってくださっていたことが本当に嬉しいです…( ; ; )!もう少しで完結させるつもりです、番外編でもっとらぶらぶしてほしいな〜なんて…よければ今後もご覧くださいね。本当に感謝です。 (2019年8月14日 8時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤子 | 作成日時:2017年1月5日 20時