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少しずつ気温が上がってきた、真夏の鎌倉。
私の手を引く彼の手もまた、熱かった。
この手を握り返してもいいのか。
考えているうちにも、足は止まらない。
「伊野尾くん、そろそろ…!」
全速力に近いスピードで走るのも限界だった。
すでに走り出した場所からだいぶ遠ざかっている。
人力車のお兄さんも、まさかここまで私たちを追いかけてこないだろう。
「あっ…ごめん、夢中になりすぎた」
伊野尾くんは我に返ったように、ぱっと私の手を放した。
肌にふれる熱い体温が離れていく。
走り続けたせいで、お互い息が上がっている。
「伊野尾くん、走るの速いね」
「うーん、運動は得意じゃないはずだったんだけど」
とても運動神経が悪そうには思わなかった。
伊野尾くんと私だと、歩幅も違うのかもしれないけど。
「花緒ちゃんが困ってるの見たら、助けなきゃ、って思ったのに…」
やってしまった、という顔で、伊野尾くんは残念そうに言う。
「旨そうな店、いろいろ過ぎた…!」
「え?」
「コロッケ屋さんとか、クレープ屋さんとか!チェックしてたとこ、ほとんど今の通りにあるんだよね」
かなりのスピードで走ってきたにもかかわらず、伊野尾くんは通り過ぎるお店をチェックしていたなんて。
どんなときでもおいしいものを見つけるのは、伊野尾くんの才能かもしれない。
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藤子(プロフ) - まつさん» まつさん、ただいま戻りました…!変わらず待っていてくださってうれしいです(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年12月14日 19時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - 藤子さんおかえりなさーい(∩´∀`∩) (2020年12月14日 2時) (レス) id: c1ce19b84f (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - まつさん» 二人きりの夜にどう出るか…彼にかかってますね!いつも読んでくださってありがとうございます(^^) (2019年9月2日 0時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
まつ(プロフ) - ドキ(*´ェ`*)ドキ……ドキ(*´ェ`*)ドキ (2019年9月1日 14時) (レス) id: 1721241396 (このIDを非表示/違反報告)
藤子(プロフ) - まつさん» まつさん…!!以前と変わらず待ってくださっていたことが本当に嬉しいです…( ; ; )!もう少しで完結させるつもりです、番外編でもっとらぶらぶしてほしいな〜なんて…よければ今後もご覧くださいね。本当に感謝です。 (2019年8月14日 8時) (レス) id: 373c37caec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤子 | 作成日時:2017年1月5日 20時