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寝起きでボーッとしている万次郎を連れて教室を出る私達。
私は親が子を叱るように続けて圭介に話した。
『あとそう、永瀬くんにもちゃんとお礼言った?こないだもけい………ッて、そうだ永瀬くん!!!』
私は歩みをピタッと止めると永瀬くんの名前を叫んだ。
(やばいやばいついさっき圭介に忘れるなと言ったばかりなのに自分も忘れてた…!!これじゃあ人のこと言えないよ…!!)
「ぅおっ!?なんだよいきなり!」
驚いた拍子に怒る圭介と寝ぼけ眼の万次郎に私は慌てて『ごめん二人共!先帰ってて!』と言うと2人の返答も聞かずにその場から走り去った。
(永瀬くんいるかな…まだそんな時間経ってないよね…?)
そう焦りながら非常階段までの道中で永瀬くんの後ろ姿を見つけた。
それと同時によかった〜って安堵し『永瀬くん!』と呼びかけた。
「おぉA、ちょうど今向かってたとこなんだ」
爽やかな笑顔でそう言う永瀬くんにホントは忘れてたなんて言えるわけもなく、胸がチクッと痛んだ。
目的の場所までは"今日の授業でこんなことをした"とか"誰々がこうでさ"とかたわいもない話しをしながら一緒に向かった。
すれ違う先生に挨拶をしながら少し歩くと人気のない静かな非常階段までやって来た。
私は数段上がったところで腰を下ろし座ると会話を本題へと切り替えた。
『〜…、それで、話しがあるんだっけ?』
そう聞いた途端に永瀬くんの様子がみるみるおかしくなっていった。
今の今まで普通に話していたのに、急に視線をどこかへと向けてなんだか表情も会話もぎこちない。
「そ、そう、話し、ある、」
『?、どうしたの?(笑)…もしかして気分、悪くなっちゃった?』
「え?あ、気分は大丈夫、うん。」
心配しつつ少し待ってみようと思った私はその間あらゆる可能性を考えた。
今の状況下で考えられる可能性…。
一瞬、もしかして告白?って思った自分もいたけど根拠がないし(漫画の読みすぎそれはないない)とすぐにそれを否定した。
「…あのさ、A」
『?、うん』
「Aって…その…、今好きな人とかいんの?」
『好きな人?!んーいないなぁ…』
「そっか…、」
『うん』
「Aってさ、…場地とか佐野とかと仲良いけど2人のことどう思ってんの…?」
『圭介と万次郎?う〜ん…2人は小さい頃から一緒だから兄弟?家族?みたいな感じかなぁ』
「そうなんだ…。オレさ、」
『うん』
「Aが好き…なんだけど…。」
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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時