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授業中、先生の話を聞き流しながらぼんやりと窓の外を眺めていた。
今日はダメだ、集中という文字からかけ離れてる。
頭の中は"早く学校終わらないかな"この言葉でいっぱいだった。
そんな時、誰もいない校庭を歩く人の姿がふと視界に入った。
目を凝らすまでもない見慣れた歩き方、服装…万次郎だってすぐに分かっちゃった自分が恐ろしい。
万次郎が教室に着く頃、ちょうどチャイムが鳴り教室が賑やかな声で溢れていた。
その中を万次郎はあくびをしながら「…おはよ」と声をかけてきたかと思えば席に座り机に伏せた。
絶対さっき起きたばかりでしょって思いながらも「また寝るの?」って聞くと「んー……」と怠けた返事をした。
何しに学校に来てるんだろ?って考えるのは無駄ってことはもう分かってるから私はそのままにした。
そのあと次の授業が始まっても先生ももう慣れてしまったのか万次郎が寝てても触れずに授業を進めてた。
給食の時間になると万次郎の肩を揺らして名前を呼ぶ。
一緒のクラスになるとこれだからヤダ。
「万次郎っ、万次郎ってば!私当番なんだから起きてよ」
「…んー……ん〜……おき、た…」
「起きた?!ほんとに?!じゃあ私行くからね?二度寝しないでよ!?」
「…はぁい」
少しボーッとした後、のそのそと動いて給食を待つ列へと並ぶ万次郎。
クラスメイトの鈴木君に「鈴木、今日の給食なに?」って聞くと「えっと、今日はスパゲティとサラダとスープとデザートだよ」って教えてあげてた。
鈴木君はいつも親切に教えてあげてる優しいクラスメイトだ。
なのに万次郎は献立を聞くや否や「う〜ん…サラダはいらねぇな〜…」って。
いつも教えてくれてありがとうくらい言いなよってこないだ言ったばかりなのに…
ってか私、今日当番でサラダ担当してるんだけどな。
一瞬当て付けで大盛りにしちゃおうかなって考えが過ぎったけどクラスメイト達の前だしやめた。
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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時