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「また明日」と、万次郎にいつもの言葉を言い帰ってくると力が抜けたように背中からベッドに倒れた。
(圭介もあんな調子だからきっと万次郎についていくんだろうなぁ…)
そんな事を茫然と考えるけど2人がやりたい事なら…って思う自分もいた。
「…私、なにがしたいんだろう…」
天井を見つめながらポツリと呟いた。
危険なこともあるだろうけどそれでも自分の目標、やりたい事がはっきりとある万次郎が羨ましく思ったんだ。
私も小さな頃から"大事な人を守りたい"っていう漠然とした目的はあったものの、じゃあ実際に守れたのかって言われたらそうじゃない。
むしろ守られていたのは私の方だったし、子供ながらになんて無力なんだろうって何度も思った。
こんな私でもせめて心配だけはさせないようにって我慢する事を覚えた。
ホントは私だって泣くんだよ…?
けど、人前までは滅多に泣かなかっただけ。
そしたらいつのまにか泣かない子=強い子ってなったんだ。
本当は両親達が亡くなった時も、櫂がボロボロになった時も、エマが骨折した時も、悲しかったし怖くなってまた失うんじゃないかって布団の中でたくさん泣いた。
(あーやっぱ私って無力だなぁ…)
ハァ……と深い溜め息を吐いた。
こんな答えの無い思考にもいつかはスッキリとする日がくるのかなぁ…。
結局この日は上手く消化できぬまま翌日まで引きずってしまった。
そのおかげで登校中ばったり出くわした圭介の話しが全く入ってこなかった。
「…〜でさ、やっぱ俺が思った通り犯人はアイツだと思うんだよなー!」
内容からしてきっと圭介は毎週楽しみにしている火サスの話しをしているんだと思った。
私は正直に「ごめん昨日見逃しちゃったんだよね」と言うと「はぁ?!まじかよ!!」って残念そうに言われた。
「来週は必ず観るし!……それより圭介さ、今日学校終わったらヒマ?ちょっと話したいことあるからうちに寄って欲しいんだけど」
「?、別にヒマだしいいけど…ンだよ話したいことって…?」
「んー…相談?的な?ちょっとまぁ聞いて欲しくって」
「…そうか分かった、じゃあ終わったら門集合な!?」
「んじゃ後でな!」そう言って走り去る圭介に私はヒラヒラと手を振った。
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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時