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この日、両親は結婚記念日を祝して旅行に行った。
本当は私も一緒に行く予定だったみたいだけど、「チビ2人いちゃあ大変だろ」「せっかくだから」っておばあちゃんと櫂が気を遣ったみたい。
弟は母さんがいないと寝ない子だったから一緒に連れて行った。
朝、見送ったばかりだというのにまさか最後になるとは思いもしなかった…
私は情報を処理するのでいっぱいいっぱいだった。
おばあちゃんは涙を拭いながら知らない人とどこかに行っちゃって私は櫂と椅子に座って待っていた。
櫂が鼻を啜りながら私に声をかけてくれたけど、きっと不安にさせないようにしてくれたのかな…子供ながらにそう感じ私が櫂に言葉をかけるとギュッと抱きしめてくれてまた泣いてた。
この日を境におばあちゃんは慌ただしく動き回った。
どこかにたくさん電話してたし、その度に泣くもんだからそんなおばあちゃんが私はただただ心配で仕方なかった。
数日後には黒い服を着た人達がたくさん家にやってきた。たくさんの人達が泣いていた。
そんな中、泣きながら怒っている人がいた。
母さんの母さん。
そう、私と櫂のもう1人のおばあちゃんだ。
【※以下、(母)おばあちゃんと表記します】
これは後から聞いた話しだけど、私の母は若くして櫂を妊娠。
けれど母さんの両親は産むことも結婚も認めようとしなかったんだって。
特に(母)おばあちゃんが凄い取り乱していたそう。
母は幼稚園から高校まで私立校に通ういわゆるお嬢様だ。
そんな母さんを育てた(母)おばあちゃんは想像通りの人。だから母さんが妊娠したって時はそれはもう大変だったみたい。
母さんは最終的に駆け落ち同然で家を出てきて今の家で父、母、おばあちゃんと暮らすことになった。
おばあちゃんは初孫だ〜ってとても喜んでたみたいだったけれど、向こうの(母)おばあちゃん達とはずっと音信不通だったみたい。
それから10年後、母が再び妊娠。
これを機に(母)おばあちゃん達と接触を試みたとか。
時間が解決してくれるじゃないけど、10年も経てばなにかと変化も起こるみたいで母と両親はなんとか和解したらしい。
父に対してもおじいちゃんは母さんが幸せならそれでいいって感じだったみたいだけれど、(母)おばあちゃんはそうは思わなかったみたい。
そんな感じだったから父達の葬儀の時も(母)おばあちゃんだけが怒っていた。
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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時