真菰の兄は体が弱い弍 (ページ20)

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27話ページ20

あれから1年ほどたった
たった一年、されど一年

この一年は俺はなかなか休むことが出来なかった

上弦の弐と戦ったあと、俺は柱合会議で報告を行った

カナエはその時目を覚ましてはいたが起きることすら人の手を必要としていたので代わりにある程度リハビリをして歩けるようになった俺が報告することになったのだ

久方ぶりに御館様とお子様を拝見したが御館様は呪いが進行しているらしく片目は既に見えていないようだった

お子様方は一段と奥方と御館様に似てきていた。リハビリ感覚で作ったコマを渡すと喜びになられていたのでこちらも嬉しかった

報告はつつがなく終わった

しかし俺とは個別で話がしたいと言われ、柱合会議後、御館様に呼ばれた

呼ばれた時に言われたのは隠に移るか、育手になるかの判断についてだった

正直俺は先の戦いで肺が使い物にならなくなっていた
呼吸が、技が使えないのだ
ただでさえ体もさして強い訳でもないのに無理をしたツケが回ってきたのだ

御館様も無理はして欲しくないと言っていたので隊士を引退することは決めていたのだ

しかし、それでもどうにか鬼を狩る手助けをしたかった。結果、俺は隠になる道を選んだ

戦闘能力のある隠は重宝される

鬼の情報集め、戦いの後の後処理などは案外死亡率が高いのだ

知性のある鬼により情報を集めてる途中で殉職したり、戦いの後の血によってきた鬼に襲われたりというのが結構頻繁に起こっている

隊士ほどではないが隠だって命懸けで仕事をしているのだ

少し前、と言っても俺が入った頃までではあるが、隠が後処理を終えるまで一緒にいる、もしくは周りを巡回することが暗黙の了解だった。しかし今はそうでは無いらしい

…これも隊士の質低下の一因なのだろうか…

話を戻すが、御館様は俺が隠になるうえで、何かしらの役職を持って欲しいということだった

隠の中でも役職が別れている

情報部
制作部
後処理部

そしてそれを全てまとめる

近衛隠

基本的には上の3つだが、その中でもさらに別れている

情報部は、情報の収集、拡散をし、鎹鴉への通達を行う

制作部は、新隊員、現隊員、隠の隊服制作、それに準ずるものの制作及び発注を行う