月恋 第218話 「良き友人」 ページ28
「しーっ! まっつん声でかいよ!」
「もごっ!!」
まっつんと呼ばれた彼が私の方へと指さし、叫ぶものだから周囲の視線が私達の方へと一気に集まり注目を浴びることに。
私と葉月さん、恋さんは頭のキャップ帽を今よりも更に深くかぶり、眼鏡だけで変装をしていた夜さんは顔を片手でちょっと隠し、もう片方の手でまっつんさんの口を塞ぐ。
グラビ、プロセラ、Fluna、Seleasの足元にも及ばないが、ドラマやデビュー曲のお陰でそこそこ知名度も上がってきている。恋さん、夜さん、葉月さんの3人は勿論のこと、私も少しずつ、顔を見られただけでツキプロの暦屋だと気付かれるようになってきた。だからこそ、ここで周囲の視線を集め、騒ぎになっては折角のお祭りが台無しである。
自分達がグラビとプロセラであることを周りの人達に悟られないよう、そそくさとその場から神社の奥に建てられたお社へと移動する。
7月に行った東京のお祭りの神社もそうであったように、お社の方は人気が少なくひっそりと、縁日の光が遠くの方からぼんやりと見えるだけで薄暗い雰囲気を漂わせていた。
「ごめんな!急に大声出して。まさか、ここにこよみんが来てくれるとは思ってなくて。あ、俺は夜と陽の同級生で意識の高いモブ、松永 太一です! よろしくなって、よくよく見たらグラビの如月 恋もいるじゃん! こんばんはー!」
「テンションたっか!って、今俺の存在に気付いたの?! 酷くない?!」
人好きする笑顔を浮かべ、初対面でありながらも気さくに話し掛ける松永さん。
「まあ、いつまでも俺がいて邪魔しちゃ悪いし。じゃ、こよみん、こいっく、俺と陽、夜の地元である奈良の夏祭りを存分に楽しんでってくれよ!」
簡単に挨拶を済ませ、松永さんはそう言って、また明るい笑顔を見せ、私達に大きく手を振りながら去っていった。
葉月さんと夜さんの地元の話にちょくちょく出てくるため、どんな人なのかだけは知っていた。が、まさに二人の話通り。
とても明るくて楽しい上に気遣い上手の二人の良き友人であった。
月恋 第219話 「イケメンとは」→←月恋 第217話 「気さくに呼び掛ける」
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snow(プロフ) - 櫻餅さん» すごくキャラの性格が出ていると思います。皆の良いところが出ているなと思います。忙しいと思いますが無理せずに頑張って下さい! (2019年5月17日 17時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» コメント有難う御座います!夢主人公だけでなく、書かせて頂いているツキウタ。キャラも好きだと言って頂けてとても嬉しいです! (2019年5月17日 5時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ♪更新、ありがとうございます。やっぱり好きです。ヒロインの真っ直ぐな所も可愛いけど、他のキャラも好き。今回の話は新君らしいなって気がしました。是非、志望校に受かって欲しいなと思いました。 (2019年5月16日 21時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - といろさん» コメント有難う御座います!また不定期ではありますが、更新頑張っていきたいと思っておりますので宜しくお願い致しますm(__)m (2019年5月15日 2時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
といろ - 再開待ってました!ありがとうございます…!これからもずっと応援しています。無理なさらぬよう、お願いします…!! (2019年5月14日 13時) (レス) id: 8af1b1e6db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻餅 | 作成日時:2018年11月5日 18時