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月恋 第216話 「禿げる危険性を考えて、もっと丁寧に撫でてください」 ページ26

ヒグラシの鳴く声に急かされて、もうすっかり日が沈み始め、辺り一体が薄暗くなってきた頃。漸く私達は奈良駅に到着した。

「おーい、A。着いたよー?」

「眠い」

恋さんのお言葉に甘え、私は新幹線の中で爆睡。

演歌界の大御所や人気お笑い芸人さん、様々な大物芸能人に囲まれてトーク番組を収録した今日の午前。

上手く話せるだろうかと緊張し、昨日の夜、中々眠れなかったせいもあり、恋さんの寝て良いよと言う有り難いお言葉を耳にした直後、全身の力が抜け、奈良駅に到着するまで眠りこけていた。

「A、起きてー」

「おきてまぁす……」

「半分寝てるじゃん」

恋さんに起こされ、渋々眠い目をこすりながら新幹線を降りた今も意識がはっきりせず。足取りがはっきりしない私の手を恋さんが引きながら、二人して改札口まで向かう。

「あ、陽ー! 夜さーん!」

改札口を出たところで、ハラハラと、何処か緊張した面持ちの夜さんと、ポケットに両手を突っ込み、壁にもたれ掛かりながら私達を待っている葉月さんの姿を発見。

恋さんが、私と繋いでいる手とは反対の手を二人に向けて大きく振った。

「あー、良かった!! 二人とも無事に辿り着けたんだね!」

私達の姿を目に映した途端、ホッと安堵の表情を浮かべ嬉しそうに笑う夜さん。

「恋、A、ホントにサンキューな。助かった」

恋さんから携帯を受け取った葉月さんに、私と恋さんは頭を乱雑に撫でられた。

待って、そんな雑に撫でたら私の頭が禿げる。

月恋 第217話 「気さくに呼び掛ける」→←月恋 第215話 「お兄ちゃんの本気」



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snow(プロフ) - 櫻餅さん» すごくキャラの性格が出ていると思います。皆の良いところが出ているなと思います。忙しいと思いますが無理せずに頑張って下さい! (2019年5月17日 17時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» コメント有難う御座います!夢主人公だけでなく、書かせて頂いているツキウタ。キャラも好きだと言って頂けてとても嬉しいです! (2019年5月17日 5時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ♪更新、ありがとうございます。やっぱり好きです。ヒロインの真っ直ぐな所も可愛いけど、他のキャラも好き。今回の話は新君らしいなって気がしました。是非、志望校に受かって欲しいなと思いました。 (2019年5月16日 21時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - といろさん» コメント有難う御座います!また不定期ではありますが、更新頑張っていきたいと思っておりますので宜しくお願い致しますm(__)m (2019年5月15日 2時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
といろ - 再開待ってました!ありがとうございます…!これからもずっと応援しています。無理なさらぬよう、お願いします…!! (2019年5月14日 13時) (レス) id: 8af1b1e6db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻餅 | 作成日時:2018年11月5日 18時

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