月恋 第214話 「ツンデレな幼馴染みはお好きですか?」 ページ24
「だ、大丈夫かなぁ」
二人が無事に奈良まで辿り着けるか、携帯を握りしめながら冷や冷やしていれば。
陽が焦れったそうに俺の携帯を取り上げ、恋のトークアプリへと素早い手つきで、照れ屋でツンデレな陽らしく簡潔に「着いたら連絡しろ。駅まで迎えに行く」とだけメッセージを送信した。
そして俺に携帯を返し、陽はその場からすくりと立ち上がった。
「どうしたの?」
「駅に行ってくる。夜も来るか?」
自分の鞄の中から財布だけ取り出し、ポケットに入れ、部屋の襖を開け、俺の方を振り向きながら問い掛ける。
「でも、恋たちが来るまでまだ時間があるよ?」
部屋の壁に掛けられている時計を見ながらそう返答する。
「こっちが頼んで来て貰ってんだから、駅で何分も待たせるわけにはいかねーだろ」
すると陽は照れ臭そうに、乱雑に頭を片手でかき、俺から顔をそむけながらそう呟くようにして答えた。
陽の顔は見えないが、ほんのりと彼の耳が赤みを帯びているのが分かった。
俺は目の前にいる幼馴染みの、チャラい見た目に反し、律儀で義理堅く、小さい頃から変わらない不器用な優しさにクスリと思わず笑みを溢したのであった。
「俺も一緒に行くよ。二人を待っている間、暇だから話し相手くらいは必要でしょ?」
「おう、サンキュ」
そしてそんな大切な幼馴染みに付き合うため、俺も立ち上がり、二人で駅へと向かったのである。
月恋 第215話 「お兄ちゃんの本気」→←月恋 第213話 「心許ない」
131人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
snow(プロフ) - 櫻餅さん» すごくキャラの性格が出ていると思います。皆の良いところが出ているなと思います。忙しいと思いますが無理せずに頑張って下さい! (2019年5月17日 17時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» コメント有難う御座います!夢主人公だけでなく、書かせて頂いているツキウタ。キャラも好きだと言って頂けてとても嬉しいです! (2019年5月17日 5時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ♪更新、ありがとうございます。やっぱり好きです。ヒロインの真っ直ぐな所も可愛いけど、他のキャラも好き。今回の話は新君らしいなって気がしました。是非、志望校に受かって欲しいなと思いました。 (2019年5月16日 21時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - といろさん» コメント有難う御座います!また不定期ではありますが、更新頑張っていきたいと思っておりますので宜しくお願い致しますm(__)m (2019年5月15日 2時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
といろ - 再開待ってました!ありがとうございます…!これからもずっと応援しています。無理なさらぬよう、お願いします…!! (2019年5月14日 13時) (レス) id: 8af1b1e6db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:櫻餅 | 作成日時:2018年11月5日 18時