月恋 第139話 「まだ知らないこと」 ページ45
「堀宮さん!」
朏さんと話終えた後、ちょこちょこと小走りでAちゃんが俺の元へとやって来た。
「Aちゃん、お疲れ様! 凄く良かったよ、あのシーン!」
「やった! ありがとうございます!」
Aちゃんは大輪の花が咲いたような満面の笑みを浮かべ、ガッツポーズ。素直で可愛らしい一面である。
ところどころ大人びているが、こう言う素直なところを見るとまだ中学生なんだなと思い知らされる。
先程の大人っぽい演技のお陰で、彼女がまだまだ中学生の子供であったことを忘れていた。
「あ、そうだ! 堀宮さん、先程は大変失礼しました!」
思い出したかのようにAちゃんがガバッと勢いよく俺に頭を下げてきた。
先程、と言うのは恐らく休憩中の朏さんとの一件のことだろう。
俺にわざわざ謝らなくても良いのに、Aちゃんも朏さんも律儀な人達だなァ。
「良いよ良いよ、俺に頭なんか下げなくて。それよりもAちゃん、煙草の煙は大丈夫だった?」
「はい、大丈夫です!後で、大変不本意ながら朏さんにも謝罪しに行ってきます。此方も水を掛けてしまいましたし………」
本当に嫌なのか、Aちゃんは物凄い膨れっ面。今回の一件で、すっかり朏さんに苦手意識を持ってしまった様だ。
朏さんの不器用過ぎる愛情表現、どうやらAちゃんには難し過ぎて伝わってなかったみたいである。無念です、朏さん!
「お詫びと称して、激辛まんじゅう持っていきます」
「それお詫びじゃなくて嫌がらせだよねAちゃん!」
「バレました?」
「そりゃバレますよ!」
流石はあのプロセラの白き魔王様やグラビの黒の王様と一緒の寮に住んでるだけあって、Aちゃんも個性が強い。
隼くんと言い始くんと言い、朏さんやAちゃん。
俺の周囲にはどうやら、個性豊かな人が多い様だ。
――――――此れから一年後、と或る個性的な友人のお陰で、今よりももっと俺の周りに個性豊かな人が増えて賑やかになっていくことをこの時の俺はまだ知らない。
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櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが頑張ります。これからもこのお話を宜しくお願いします。 (2018年3月21日 12時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間！！！ - 続編おめでとうございます！これからの夢主ちゃんの成長が楽しみですね！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2018年3月21日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2018年3月13日 2時
