月恋 第129話 「膝枕争奪」 ページ35
「A、寝るんなら自分の部屋行け。此処じゃ体痛くなるぞー」
「んー………」
プロセラ共有ルームに珍しい二人組を発見。
ソファに座りながら台本を読む陽に、その陽の膝に頭を預け、今にも寝そうなAの姿があった。
「よ、二人ともお疲れさん」
「おー、海もお疲れ」
二人の方へと向かい、声を掛ける。陽の方は俺に気付いたものの、Aは固く目を閉ざし、すっかり眠ってしまっている。
「随分なつかれたなァ」
陽に膝枕をして貰いながら、気持ち良さそうに眠るAの頭を軽く撫でる。
此処に来たばかりの時は、俺達に遠慮ばかりして距離を置いていたA。
まさか、陽に膝枕をしてもらうほどなつくとは驚きである。
「あー、海、悪いんだけど毛布かブランケット持ってきてくんね?」
「分かった。ちょっと待ってろ」
Aに膝枕をして、身動きの取れない陽にお願いされ、俺はブランケットを取りに行く。
多分、Aが自分になついてくれて嬉しいのだろう。だから無理矢理起こそうとはせず、俺にブランケットを頼んだ。
陽も素直じゃないからな。嬉しいって気持ちをわざわざ言葉にして表現しないだけで、内心大喜び。
ぐっすり眠っているAを見る目が優しくて、ほんのり頬が赤い。それだけで陽が内心嬉しがっていることが分かる。
陽よ、隠してるつもりだろうが、表情に出ちまってバレバレだぞ?なんてな。それを言ったら、多分、照れ隠しでキレられるから黙っておこう。
「おーい、ブランケット持ってきたぞーって、A、起きたのか」
俺にもいつか、陽みたいになついて甘えて欲しいなと思いつつブランケットを持っていくと、Aは寝ぼけながら、陽の膝枕から体を起こしていた。
「…………かいさん」
まだ半分以上も開いていない目が俺に向き、俺が居ることに気付いたAは自分の右隣、詰まりは誰も座っていない方のソファをペシペシッと叩いて、俺に座るよう指示する。
指示された通り、ソファに腰を掛けるとAは覚束無い足取りで此方にやって来たと思ったら、突然俺の太ももに頭を預け、再び眠ってしまったのだ。
Aになつかれ、膝枕が出来る程になっていたことに喜ぶ反面、俺の方へと移動されてしまった陽のショックを受けた表情を見て、素直に喜べない複雑な気持ちになった。
「すまん、陽」
「ああ…………」
月恋 第130話 「拗ねている顔が可愛いと思う」→←月恋 第128話 「二大美少女」
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櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが頑張ります。これからもこのお話を宜しくお願いします。 (2018年3月21日 12時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間！！！ - 続編おめでとうございます！これからの夢主ちゃんの成長が楽しみですね！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2018年3月21日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2018年3月13日 2時
