月恋 第98話 「人の話はちゃんと聞きましょう」 ページ4
「二人とも何気に息がぴったりだねって、ダメだからね?! 好き嫌いせず、何でも食べよう!」
「ぶーぶー、郁兄のケチー!」
「いっくんの………ケチ」
嫌いなものを交換しようとした私と涙兄を阻止してきた郁兄に、私は口を尖らせて、涙兄は頬を膨らませて、やや遠慮がちに反抗する。
「ケチでも何でも良いから交換は無しだからね、二人とも!」
「A、涙、何なら僕があーんして食べさせてあげようか?」
「あ、結構です。隼兄、お一人でどうぞ!」
「僕も自分で食べれる」
「海、二人が冷たい!」
「はいはい、肉焼けてるぞー」
私達の小さな反抗をものともせず、上手いことさらりと流す郁兄に、一歩間違えればセクハラとも捉えかねない発言を自然な流れでぶちこみ、悪ノリをする隼兄。
そしてそれを慣れた口調で受け流してしまう文月さんも最早、何時もの変わりない日常風景だと思えるようになってきた私は、大分プロセラの皆さんに馴染んできた様だ。
「ちょっと待ってー!!」
「なんかプロセラだけ異様にAと距離が近くなってるんですけど、どうして?!」
「てか、隼さんと郁と涙だけ兄呼びずるくない? 俺なんか如月さんだよ? 俺も恋兄って呼ばれたい!」
「そんなこと言ったら俺も師走さんだよ! 折角なんだから、駆兄って呼んで欲しい!」
郁兄、涙兄、隼兄とのやり取りを見ていた如月さんと師走さんが突然声を上げた。
最初の時の郁兄達と同様、矢張り呼び方は気になるものなのだろうか。
もう後から色々言われて、呼び方を変えるのも面倒である。この際だから、呼び方を変えてみようかな。
仕事の時だけは名前にさん付け、日常では兄呼び。
まだまだ雰囲気的に緊張する睦月さんや、妹さんが居る弥生さん、文月さん、如月さんは兄と呼ぶには大変おこがましい気がする。
だから、取り敢えず親しみやすい師走さんと年中組の皆さんから呼び方を変えてみよう。
公私混同せず、ちゃんと使い分ければ問題ない筈だ…………あ、ご飯が無くなった。
「すいませーん、白ご飯おかわりくださーい!」
「「A、人の話し聞いてー!!」」
空になった茶碗を見て、まだ食べ足りないかもとおかわりを要求。
師走さん、ではなく駆兄と如月さんのツッコミによりまだお二人への返答をしていなかったことに気付き、ハッとする。
「ちゃんと聞いてますよー」
咄嗟に自分に自分のフォローを入れてみるも、信じてもらえていないのかジト目をお二人に向けられた。
すいませんでした。
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櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが頑張ります。これからもこのお話を宜しくお願いします。 (2018年3月21日 12時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間！！！ - 続編おめでとうございます！これからの夢主ちゃんの成長が楽しみですね！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2018年3月21日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2018年3月13日 2時
