月恋 第69話 「お兄さんのお節介」 ページ22
「Aちゃん、ウグイス・コード、何回聞いた?」
「え、何回?」
不意打ちで彼女に問い掛けると、意外な質問による驚きの声を上げ、真剣な表情を浮かべながら指で数え出す。
「え、えーっと、えっと……少なくとも10回以上は聞いてる筈です」
数えてみたは良いものの、途中で記憶があやふやになった様だ。
質問をして1分後、彼女らしい、とても大雑把な答えが返ってきた。
「少なくとも、ねぇ………確実に10回以上は聞いてるでしょ」
彼女の少しつり目気味の大きな瞳の下に、うっすらと出来た隅に一瞬だけ視線を向ける。
学校の課題もあり、仕事もあり、部活動もある忙しい中、何時もより遅くまで起きて曲を真剣に聞く彼女の姿が脳裏に浮かんだ。
最近、遅くまで部屋の明かりが付いているのは恐らく曲を聞いているから。
この子も無理するなァ、なんて苦笑を浮かべる。
始が妙に彼女を気にするのは、�爐修Ω世�所が�畆�分に似ているからかもしれない。
「一応、曲全体の雰囲気を掴むのに5回、音の特徴を知るのに5回、歌詞の意味や物語性を考えるのに5回、黒月さんに頼んで楽譜のコピーを貰って、それを見ながら10回は聞くようにしてます。後は気分で。」
「それだけで軽く15は越えてるよ」
「あれ?!」
普通は、わざわざ楽譜のコピーを貰ってまで曲を聞こうとはしない。
けれど、単純で極端だが非常に真っ直ぐな性格をした彼女らしい悩みの解決方法であると、俺は小さく笑みを溢した。
ハッキリ言って、俺は始とAちゃんの間に一体全体何が起きたのかは、始から相談されていたし、薄々勘づいていた。
彼女が、「自分は何を目指して、どんなアイドルになりたいか」明確な目標や、強い信念が無い事について悩んでいることも、隼からこっそり教えてもらっていたのである。
今日、もし彼女がそのことで悩み続けいるのであれば、こっそり助言しようかと思っていた。だが、それは必要なかった様だ。
彼女には、自分で考えて努力し、自分の力で進んでいく強さがある。
そんな努力家で真っ直ぐ、変人気質で取り扱いが難しい妹分に俺がしてあげられる事は―――
「頑張ってくれているAちゃんに、春お兄さんからプレゼント」
そう言って、彼女にと或るチケットを差し出す。
「弥生さん、クリスマスにしてはまだ早いです」
「クリスマスプレゼントじゃないよー。
今度のグラビ、プロセラ合同ライブのチケットです!」
ちょっとしたお節介くらいかな。
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櫻餅(プロフ) - リュウヤさん» こんにちは。コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです。これからもこの夢小説をぜひ宜しくお願いします。 (2018年3月27日 23時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。ヒロインちゃんと始さんのやりとりに、涙ぐんでしまいました。みんなが温かくて、素敵な作品をありがとうございます。続編も引き続き、追いかけさせていただきます！ (2018年3月26日 8時) (レス) id: 707d2de435 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» こんばんは。コメントありがとうございますm(__)mそう言って頂けて大変嬉しく思います。不定期更新ですが頑張ります！ (2018年2月9日 21時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ。ヒロインちゃん、憧れの愛ちゃんに会えて良かったですね。いつも一生懸命な彼女に元気を貰ってます。これからも頑張って下さい！ (2018年2月9日 18時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメント有難う御座いますm(_ _)mこれからも不定期更新ですが、頑張っていきたいと思います。 (2018年1月10日 4時) (レス) id: d35033e969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年12月26日 23時
