月恋 第67話 「見誤った」 ページ20
私はどうやら、選択肢を見誤った様である。
「………」
「………へぇ、なるほどね」
私の隣には、先程のノートを手に取り、熱心に読み耽る弥生さんの姿があった。
「あの、もうそろそろその辺で……」
何やかんや言って、上手い具合に弥生さんに言いくるめられノートを見せる嵌めに。
余りにも真剣な瞳で私のノートを読むものだから、何だか気恥ずかしくなって思わず弥生さんの手にあるそれにてを伸ばすも―――
「ダーメ。
Aちゃんが丁寧に、それでいてビッシリ俺達の曲の事、書いてくれてるからまだ全部読み終えてないし、俺は例え作りかけのノートでも最後まで読みたい」
「か、勘弁してください!」
軽くあしらわれて、やんわりとノートへと伸ばす手を拒まれた。そして次いでに、軽く頭を撫でられる。
この一連の流れを終え、再びノートに視線を戻す弥生さんの目は矢張り真剣味を帯びている。
何を其処まで集中して読む必要があるのか、私にはイマイチ理解できない。
「フフッ、Aちゃん前にも言ってた通り、本当に文系科目が苦手なんだね」
「だから言ったじゃないですか。私に文才は無いと」
目を細めて柔らかく笑みを溢す弥生さんに対して、私はムスッと頬を膨らませて不貞腐れる。
小学校4年生辺りから成長が止まっている文章力を、今から伸びるかどうか分からないけれど成長させよう。
皐月さんにお勧めの本を紹介してもらおうかな。なるべく短くて、読みやすいやつ。
「違う違う、此処の漢字」
なんて考えていると、弥生さんはまた目を更に細めて微笑み、私にと或るページを開けて見せてきた。
「間違えてるよ」
「へっ?」
弥生さんの指で示された漢字は「勤」
これの何処が間違っているのだろうかと首を傾げる。
「難しいって書こうとしたんだよね?」
「はい。え、違うんですか?!」
「これは、勤める。難しいって言う漢字は、こう書くんだよ」
弥生さんは自分の鞄からペンを1本取り出して、私が間違えた漢字の隣にサラサラッと訂正を入れた。まるで先生の様だ。
間違えてしまった恥ずかしさの余り、今度から数学の公式だけじゃなく、漢字も真面目に覚えようと思った午前11時半過ぎのことである。
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櫻餅(プロフ) - リュウヤさん» こんにちは。コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです。これからもこの夢小説をぜひ宜しくお願いします。 (2018年3月27日 23時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。ヒロインちゃんと始さんのやりとりに、涙ぐんでしまいました。みんなが温かくて、素敵な作品をありがとうございます。続編も引き続き、追いかけさせていただきます！ (2018年3月26日 8時) (レス) id: 707d2de435 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» こんばんは。コメントありがとうございますm(__)mそう言って頂けて大変嬉しく思います。不定期更新ですが頑張ります！ (2018年2月9日 21時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ。ヒロインちゃん、憧れの愛ちゃんに会えて良かったですね。いつも一生懸命な彼女に元気を貰ってます。これからも頑張って下さい！ (2018年2月9日 18時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメント有難う御座いますm(_ _)mこれからも不定期更新ですが、頑張っていきたいと思います。 (2018年1月10日 4時) (レス) id: d35033e969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年12月26日 23時
