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月恋 第61話 「心の準備」 ページ14

現在時刻、午前10時30分。

 遅めの朝食を取り終え、プロセラの共有ルームに設置されているソファの上に正座をしながら携帯を片手に身構える。

「待ってAちゃん、黒月さんに電話するだけだよね?!」

 携帯を眺め、中々電話を掛けようとしない私を見かねて長月さんが思わずと言ったように声を上げる。

 何時もならこう言ったツッコミは葉月さんがするのに、珍しいこともあるものだ。

なんて呑気に思考を巡らせている場合ではない。

 私は一刻も早く、黒月さんに電話をしなければならないのだ。それなのに、緊張で手が震えるせいか、黒月さんの電話番号を押せずに居た。

「Aは何をそんなに緊張しているの?」

 隣に座りながらヤマトと戯れていた水無月さんが、コテンッと可愛らしく首を傾げた。

「いや、ちょっと話の内容が内容なだけに、き、緊張しちゃいまして」

 私の質問の答えになっていない返答に、更に首を傾げる水無月さんと長月さん。

私はそんな二人を他所に、意を決して黒月さんに電話を掛けた。

 黒月さんが出る迄の間、私の心臓はドクドクと脈打ち落ち着かない。

 何故だか分からないけれど、電話の単調な呼び出し音が私の緊張感を更に高まらせた。

「はい、黒月です」

「ぎゃあッ!!」

 5コール目にして、黒月さんの低くて格好良い声が電話を介して伝わってきた瞬間である。

「A?! どうかしたのか? 大丈夫か?!」

「す、すみません、ちょっと心の準備が出来てなくて叫んじゃいました」

「こ、心の準備?」

 思わず、黒月さんの声が聞こえ、一瞬心臓が勢いよく飛び跳ねたと同時に叫んでしまったのだ。阿呆か私は。

「本当にすみません。何でもないです」

「そ、そうか? で、どうかしたのか? Aが俺に電話してくるなんて珍しいな」

「あの、少し黒月さんにご相談が有りまして………」

低くて男らしい声とは裏腹な、優しい黒月さんの口調を聞いてやっと落ち着きを取り戻し本題へ。

 「おう、どうした? 何でも言ってみろ」と言う黒月さんの頼もしい言葉を合図に、すうっと息を吸って彼に用件を伝える。

「―――連続テレビドラマの主役オーディションを受けてみても良いでしょうか」

月恋 第62話 「デビュー曲」→←月恋 第60話 「口が裂けても言えない」



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櫻餅(プロフ) - リュウヤさん» こんにちは。コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです。これからもこの夢小説をぜひ宜しくお願いします。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。ヒロインちゃんと始さんのやりとりに、涙ぐんでしまいました。みんなが温かくて、素敵な作品をありがとうございます。続編も引き続き、追いかけさせていただきます! (2018年3月26日 8時) (レス) id: 707d2de435 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» こんばんは。コメントありがとうございますm(__)mそう言って頂けて大変嬉しく思います。不定期更新ですが頑張ります! (2018年2月9日 21時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ。ヒロインちゃん、憧れの愛ちゃんに会えて良かったですね。いつも一生懸命な彼女に元気を貰ってます。これからも頑張って下さい! (2018年2月9日 18時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間!!!さん» コメント有難う御座いますm(_ _)mこれからも不定期更新ですが、頑張っていきたいと思います。 (2018年1月10日 4時) (レス) id: d35033e969 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年12月26日 23時

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