月恋 第60話 「口が裂けても言えない」 ページ13
昨日、ノートに自分の今のアイドルとしての立ち位置について纏めてみた結果、全体的に印象が薄く特徴が無い事が分かった。
ツキウタ。企画の女性陣達は、皆さん色艶やかな特徴のある髪色をしている上に見目が整っている。そして何より良い意味で個性的な人ばかり。
勿論それは、男性陣にも言えることである。
そんな中に私が入っても目立つどころか、皆さんのキラキラしたオーラに圧倒されて影が薄くなるだけ。
だったら、少しでも皆さんと被らない様にちょっとした工夫をしていこうと考えたのだ。
流石に髪色を変える勇気は無かったため、先ずは髪型から。
「何時ものセミロングも似合うけど、此方も似合うな」
「うんうん、すっごく似合ってるよ!」
ポニーテールにされた毛先をクルンッと指先で弄りながら褒めてくれる葉月さんと、それに同調してくれる郁兄に嬉しくなってその場で小さく飛び跳ねる。
「ありがとうございます葉月さん、郁兄! やった、郁兄に褒められました!」
「俺は?!」
「………嬉しいですよ!!」
「そう言ってる割りには、間があったよな? お前、何か俺に対して冷たくね? しかも未だ葉月さん呼びだし!」
と言いながら、先日の様に名前で呼んで欲しいと私に詰め寄る葉月さん。
どうしよう、「一々反応してくれる葉月さんが面白くて、ついついからかっちゃうだけです。決して嫌いだから、冷たいとかそう言うんじゃないんです」なんて口が裂けても失礼過ぎて絶対言えない。
「はいはい、陽。あんまり詰め寄らないの。Aちゃんも未だ慣れてないんだから、あんまり困らせないであげてね?」
どう答えようか返答に困っていたところで、長月さんがナイスフォロー。そのお陰で、自業自得ながら何とか難を逃れた。
「そう言えば、皆さん今日はお仕事は?」
長月さんに心の中で感謝しつつ、気になることを問い掛けてみる。
「今日は皆オフだよ。まあ、海さんは海外にロケに行っててお仕事なんだけどね?」
苦笑混じりに答えてくれた長月さんに、私は残念とばかりに肩を落とす。
「じゃあ今日は寮に黒月さん、いらっしゃらないんですね」
「黒兄に何か用事?」
「少し、仕事のことでご相談が………」
「それなら電話してみたら良いんじゃないかな? 今日は一日、事務所で書類整理だって言ってたから」
「なるほど、その手がありました!ありがとうございます郁兄、試してみます」
それを聞くや否や、私は急いで携帯を自室に取りに行った。
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櫻餅(プロフ) - リュウヤさん» こんにちは。コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです。これからもこの夢小説をぜひ宜しくお願いします。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。ヒロインちゃんと始さんのやりとりに、涙ぐんでしまいました。みんなが温かくて、素敵な作品をありがとうございます。続編も引き続き、追いかけさせていただきます! (2018年3月26日 8時) (レス) id: 707d2de435 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» こんばんは。コメントありがとうございますm(__)mそう言って頂けて大変嬉しく思います。不定期更新ですが頑張ります! (2018年2月9日 21時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ。ヒロインちゃん、憧れの愛ちゃんに会えて良かったですね。いつも一生懸命な彼女に元気を貰ってます。これからも頑張って下さい! (2018年2月9日 18時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間!!!さん» コメント有難う御座いますm(_ _)mこれからも不定期更新ですが、頑張っていきたいと思います。 (2018年1月10日 4時) (レス) id: d35033e969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年12月26日 23時