月恋 第59話 「イメチェンです。」 ページ12
―――ジリジリジリジリッ、ブチッ、ガチャンッ!!
と言うけたたましい目覚まし時計のアラーム音と、その目覚ましを勢いよく平手で止める音。そして勢い余って己の怪力により、目覚まし時計を壊してしまった音で漸く目が覚めた。
壊れた目覚まし時計の代わりとして、勉強机の上に放置していた携帯で時間を確認してみるともう午前8時。
普段の起床時間は午前6時であることを考えると、此れは完全なる寝坊であり寝過ぎである。
GW期間であり、今日に限って仕事が入ってなくて助かったと、ホッと胸を撫で下ろし身支度を整える。
机に置かれっぱなしで開きっぱなしのノートにビッシリと書かれた文章の数々を黙読し、内容を確認してから鏡の前へと立つ。
そして肩より少し下まで伸びたセミロングの黒髪を両手で後ろに持っていき、徐に高い位置で髪を結い上げたのであった。
「おはようございます」
「おはよう、Aちゃん」
今日も今日とて聖母の様な優しい笑みを浮かべ、出迎えてくれる長月さんに癒される。
「Aちゃん、おっはよー! 今日は少しお寝坊さんかな?」
「そうなんです。寝坊した上に、目覚まし壊しちゃいました」
朝から元気一杯な郁兄の声を聞き、眠気を吹き飛ばす。寝ぼけ眼を何とかするには、郁兄の明るい声を聞くことが一番であると最近思う。
「……目覚ましって、簡単に壊れるものだっけ?」
「ア、アハハハハハハ………」
まだまだ眠たそうな水無月さんの的確なツッコミを聞き、朝が苦手な者同士、何となく親近感を覚えつつ苦笑を浮かべた。
あまり、其処には触れないで頂きたい。平手で目覚まし壊す位の怪力女だと言うイメージが定着してしまいそうだから。
「はよ。お、今日は一段と可愛いじゃん!」
何て思っていると、同じく起きてきたばかりの葉月さんがやって来ていち早く私のちょっとした変化に気付く。
流石は女尊男卑を豪語するだけあって、女の子のちょっとした変化に目敏い。マメで、女の子が気付いて欲しいと思う事を必ず口にしてくれるから彼はモテるのだろう。
彼が、顔だけでモテている訳では無い事が大いに分かる。
「イメチェンです!」
そう言って、ポニーテールにされた自分の髪をちょいちょいと人差し指で触れる。
葉月さんが褒めてくれたのは、後ろで高く結い上げられた髪である。
月恋 第60話 「口が裂けても言えない」→←月恋 第58話 「不器用な王様」
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櫻餅(プロフ) - リュウヤさん» こんにちは。コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです。これからもこの夢小説をぜひ宜しくお願いします。 (2018年3月27日 23時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
リュウヤ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。ヒロインちゃんと始さんのやりとりに、涙ぐんでしまいました。みんなが温かくて、素敵な作品をありがとうございます。続編も引き続き、追いかけさせていただきます！ (2018年3月26日 8時) (レス) id: 707d2de435 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» こんばんは。コメントありがとうございますm(__)mそう言って頂けて大変嬉しく思います。不定期更新ですが頑張ります！ (2018年2月9日 21時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんばんわ。ヒロインちゃん、憧れの愛ちゃんに会えて良かったですね。いつも一生懸命な彼女に元気を貰ってます。これからも頑張って下さい！ (2018年2月9日 18時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメント有難う御座いますm(_ _)mこれからも不定期更新ですが、頑張っていきたいと思います。 (2018年1月10日 4時) (レス) id: d35033e969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年12月26日 23時
