ウラオモテカノジョ～あざとい女の子はきらいですか？～【1】 (ページ10)

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ネタを探して三千里ページ10

Twitterのアカウントを作成してから約１ヶ月。初回の挨拶以降、何も呟いていないことがマネージャーさんにバレて叱られた。バレた原因は、お仕事が一緒になった梅原さんが帰り際に放った一言である。そう、彼は収録現場から出ていく際にわざわざこちらを振り返って言ったのだ。

「そういえば三ヶ井、全然Twitter使ってなくね？」と。その時のマネージャーさんの鬼のような形相は今でも忘れられないトラウマものである。怖かった……という訳で私はいま、休日を利用してTwitterに投稿するネタを探していた。

「ねえねえAちゃん、あそこにかわいいお店あるよー」
「よし、入ろう！」

ちなみに、毎度のことながら休日が重なった久野ちゃんも巻き込んでいる。しかも今日は私の希望で、双子コーデをしてのお出掛け。

いつもなら、お揃いの服にお揃いの髪型でテンションは爆上がりしているはずなのだが、今回はTwitterのこともあって気分は暗め。そんな私を気遣って、いろんなお店を一緒に回ってくれる久野ちゃんは女神さまだ。

一生推す……！と、限界ヲタクみたいなことを考えながら久野ちゃんと手を繋いで街中をぶらぶら歩いていれば、前方に見覚えのある二人組を発見した。

「あれー？久野ちゃんにミケちゃんだー！」
「お、こんにちは」

まさかの花澤香菜さんと小野賢章さんご夫婦のご登場である。しかも、こちらもペアコーデで。花澤さん、小野さん夫婦をひっそりと推している私にとっては供給過多。

心臓発作を起こして倒れそうだ。

「二人とも相変わらず仲良しだねぇ！」

微笑ましそうな表情を浮かべた花澤さんに、久野ちゃんと一緒になって頭を撫でられた。

「二人もデートかな？」
「あ、あの、AちゃんのTwitterのネタ探しです」

何で言っちゃうの久野ちゃん？！

まさかの暴露に、思わずとなりの久野ちゃんを二度見する。

「あー、なるほど」
「ミケちゃん、ぜんぜん呟かないもんね」

それを聞いたお二人になぜか納得されてしまった。解せぬ。

「二人とも、お昼は食べた？」

賢章さんの質問に二人揃って首を横へ振る。

「あそこにお洒落なカフェがあるから、そこ行ってみたらどうかな？そのお昼ご飯の写真を撮って、Twitterに載せることも出来るし」

私も久野ちゃんも賢章さんの提案に、それだ！と顔を見合わせて笑いあったのだが……この後、カフェでお昼ご飯を食べたは良いものの、食べるのに夢中になって写真を撮るのを忘れてしまった馬鹿は私である。