年上の後輩は見た! ページ24
「どうして私が梶さんのことが好きだなんて訳のわからない結論にたどり着いたんですか?」
ぎろり、鋭くAちゃんに睨まれて少しだけ怖じ気づく。
あれ?普段の可愛らしい彼女はどこへ?と言ばわんかりの豹変ぶりに、呆気に取られてしまった俺に対してAちゃんは更に表情を厳しくした。
それだけ、俺の勘違いが不快だったのだろう。それは大変申し訳ないことをしたと思うのだが、普段見せている表情と今見せてくれている表情があまりに違い過ぎやしないだろうか。
「はあー……私が嫉妬しているのは、梶さんの方にですよ」
「え……?!」
深いため息の後に、まさかの発言をしたAちゃん。
久野ちゃんとはとても仲が良いと知っていたが、まさかそこまで彼女に執着しているとは思っていなかった。
「私、久野ちゃんに対してだけは独占欲が強くて嫉妬深いんです。だから、梶さんが久野ちゃんのあの可愛らしい声で裕貴お兄ちゃん、だなんて呼ばれているのが妬ましいやら羨ましいやらで……ともかく、嫉妬でどうにかなりそうだったから席を外したのに、なんで江口さんが見つけちゃうんですか!どうせ見つけられるなら、久野ちゃんが良かったのに!」
どんどんと荒ぶっていく彼女の感情に合わせて、ベキベキベキッと潰れていくミルクティーの缶に流石の俺もドン引きである。
この子、橋本環奈ちゃんレベルの可愛い顔して性格おっかないな。
引くほど執着されている久野ちゃんに思わず同情する。
「あ、このこと久野ちゃんや他の人には言わないでくださいね?もし、バラしたら……」
ずいっと彼女の整った顔が不意に近づいてきて、ふわりと甘い香りが鼻腔をくすぐるものだから、つい、どきりとするもその次に発した彼女の一言によって背筋が凍った。
「あの手この手を使ってでも泣かす」
可愛い可愛い年下の先輩の新たな恐ろしい一面を知ってしまった俺は、最早半泣きであった。
「ねぇぇぇぇぇぇえっ!怖いよ!」
「うるさい」
「ひどい!」
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リンリン(プロフ) - オチは1番か3番希望です (2022年5月19日 16時) (レス) @page46 id: 68dd5d6199 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - アカリさん» かしこまりました。少々お待ちいただけると嬉しいです。 (2021年12月18日 12時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - ジェラートさん» ありがとうございます。参考にさせていただきます。 (2021年12月18日 12時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ(プロフ) - 石i川i界i人さんとの絡みが見たいです (2021年12月11日 13時) (レス) id: 2ff7c7d1e3 (このIDを非表示/違反報告)
ジェラート(プロフ) - オチは2希望です (2021年12月5日 21時) (レス) id: 9bd892b1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻餅 | 作成日時:2021年10月18日 9時