黒蜥蜴十人長ノ忘れ物 『20』 ページ20
「は?!」
「急いでる所悪いンだが、早苗がもっとお前と話したそうなんだ。だから、頼む!」
驚愕の色を隠せない彼女を前に、しどろもどろになりながら理由を述べて頭を下げる。
「ちょ、一寸携帯貸して!」
すると彼女は少し戸惑い、迷った表情を浮かべたが、直ぐ様焦った声で俺の携帯を取り上げ、物凄い
そして―――「またねッ!」と軽く手を振り、早苗の頭を多少雑に撫でて、嵐の様に去って行った。
早苗は撫でられた頭を嬉しそうに両手で覆い、喜びを噛み締め乍ら笑顔を見せた。其の笑顔を目に、俺は聞いて善かったと心の奥底がじんわりと温かくなったのである。
「早苗、俺の住所教えてやる。だから彼奴と遊びたくなったら何時でも俺に手紙寄越せ。彼奴に伝えてやるから。」
「ほんとうッ?!」
早苗と視線を合わせる様、其の場にしゃがみ込む。
「たーだーし、俺の住所は他言無用な?御前のママにもだ。分からない漢字は読み仮名書いてやるから、自分で書いて、自分の手で
「うん!!ありがとう、お兄ちゃん!」
早苗の気持ちの良い返事を耳にし、彼女の頭をガシガシと撫でる。
アイツも俺の立場だったら、多少強引で少しのリスクをおかしても、多分こうしていたと思うから。
「よっし、じゃあママの処迄、競争でもしてくか。」
「やったー!!さなね、走るのはやいんだよ!」
「ほぉ、俺だって負けねェぜ!」
手元にあった紙とペンでサラサラッと自分の住所を書き、彼女が頸から下げていた小銭入れに小さく折り畳んで入れる。そして最後の最後迄、彼女との時間を大切にしようではないかと全力で彼女に付き合った。
そして俺は此の時、早苗を母親に送り届けた満足感によってすっかり忘れていたのだ。
―――姐さんに頼まれた買い物を……。
「やっべェ!」
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櫻餅(プロフ) - まゆさん» コメント有難う御座います。現在更新停止中ですが、また更新できるように頑張りたいと思っております。 (2019年5月3日 9時) (
レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年5月3日 1時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - ラズさん» コメント有難う御座います。現在ネタ切れによる更新停止中で申し訳ありません。もう一度お話の流れを整えて、また更新できるように頑張っていきたいと思っておりますので暫くお待ちいただけると嬉しいです。 (2019年4月30日 21時) (レス) id: c0a9d4f092 (このIDを非表示/違反報告)
ラズ(プロフ) - 凄く面白いです！続き、続きを下さい!! (2019年4月30日 12時) (レス) id: 8609e55ade (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - アイカさん» 中々次の話への展開の仕方が思い付かず更新が停止している状態ですが、また書けるように頑張りたいと思っています。コメントありがとうございますm(__)m (2018年6月13日 22時) (レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年8月21日 13時
