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必殺、喧嘩戦法 ページ22

「チッ、一匹逃げたか……まあ、いい」

千寿郎くんが逃げたのを見て舌打ちをするも、すぐさま鬼は此方へと視線を向けて、にたりと気色の悪い笑みを浮かべた。

「小娘ひとりで何ができる? せいぜい俺に美味しくいただかれるこった! ヒャハハハハッ」

刀を構える私を小馬鹿にするような下品な笑い声をあげて、鬼は鋭い牙を剥き出しにしながら襲い掛かってきた。

刀で咄嗟に攻撃を防いだが、尋常ではない力に圧倒されて地面に転がる。

長く尖った爪を向けられるも、それを弾き返し鬼の腕を斬りつける。けれど、その傷は意味をなさずして直ぐに再生されてしまった。

おっさんの言っていた通り、回復がとんでもなく早い。果たして、私は杏寿郎さんが来るまでコイツと戦っていられるのだろうか。一抹の不安が頭をよぎる。

けれど、あの子の分まで必ず生きると心に誓ったのだ。『生きて』というあの子の最期の願いを、こんなところで終わらせやしない。

負けるかもしれない、そんな不安は振り払い刀を強く握り直す。そして――

「ギャァァァァッ! 目がァァァァッ!」

大きく刀を振りかぶるフリをして、先程転んだとき、片手に掴んだ砂を勢いよく鬼の目めがけて投げつけた。

炎の呼吸→←鬼さんこちら、手の鳴る方へ



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作者名:櫻餅 | 作成日時:2021年5月27日 0時

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